貴重な「両界曼荼羅」も

ＤＥＮＺＡＩ環境科学館１階多目的室で開かれている「弘法大師行状絵巻」と「両界曼荼羅」の特別展

　国際ソロプチミスト室蘭創立５０周年記念・ふくろう文庫特別展「弘法大師行状絵巻」「両界曼荼羅（まんだら）」が７月２８日、室蘭市本町のＤＥＮＺＡＩ環境科学館１階多目的室で始まった。訪れた人は貴重な絵巻物を食い入るように見入っていた。８月４日まで。

　国の重要文化財「弘法大師－」は弘法大師・空海の一生を全１２巻、６１の場面に分けた絵巻で全長２１２メートルある。展示しているのは市民の寄付を受けふくろう文庫が購入した複製品。生まれてから亡くなるまでの５巻分を展示している。特別展での展示は２０１５年以来９年ぶり。

　曼荼羅は、仏教の世界観を表した図式のこと。室蘭市図書館内で８月末まで展示している「胎蔵界曼荼羅図」の対となる「金剛界曼荼羅図」の貴重な図録を公開している。

　国際ソロプチミスト室蘭は創立５０周年を記念し、空海が最澄に送った手紙、国宝「空海筆風信帖」の原寸巻子本完全原色をふくろう文庫に寄贈した。同会場に同時展示している。吉田みゆき会長は「歴史的に貴重で素晴らしい物をたくさん人に見てもらい、広めていただきたい」と話した。

　ふくろう文庫を管理する「ふくろうの会」の山下敏明代表は「同文庫は市民の寄付で成り立っている。東北、北海道にない価値のある珍しい貴重なものがそろっているので、図書館の展示コーナーに足を運んでほしい」と呼びかけた。

　特別展は午前１１時から午後３時（最終日は同２時）まで。