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苫小牧民報

マオリの2人来町 舞踊で交流 「マオリとアイヌつながっている」白老

ニュージーランド(NZ)の先住民族マオリにルーツを持つヴィッキ・デマントさん(60)とジェイド・カメタさん(40)が5日、白老町若草町の民族共生象徴空間(ウポポイ)を訪れ、伝統舞踊ハカなどを披露。現地の舞踊をウポポイ職員に伝え、交流した。

カメタさんの指導で伝統舞踊ハカを体験するウポポイ職員ら

 2人は、帯広カムイトウウポポ保存会(酒井奈々子会長)主催の国際文化交流事業により、6月28日にNZから来日した交流団(4人)の一員。通訳などを加えた一行(8人)で同29日に来道して以降、帯広や札幌でアイヌ民族と交流している。帰国は9日の予定。

 この日は小雨が降る中、伝統的コタン群が見えるステージで、山や川の神、先祖に対する祈りと清めの踊りを見せた。デマントさんは球の付いた飾りひも「ポイ」を使った踊りで職員らと交流。カメタさんは腰みのを付け、戦いの前に自身を鼓舞する踊り「ハカ」を披露した。迫力ある声や動きに、職員含む約100人の来場者が大きな拍手を送った。

 ハカは、ラグビーの世界大会でNZ代表オールブラックスが試合前に行うことで有名。交流を終えたデマントさんは「マオリとアイヌには死生観や自然観に共通点がある。さらに互いの文化を持ち寄って交流を深めたい」と熱を込めて語り、カメタさんも「ポロト湖は古里の風景に似ており、懐かしい場所に帰ってきたかのよう。アイヌの人々と私たちは孤独ではない。根でつながっている」と話した。

 マオリの人々は1994年9月、同町の町制施行40周年記念行事で9人が来町している。昨年1月にはNZ政府の奨学生8人が来町してアイヌ刺しゅうなどを体験し、アイヌ文化に理解を深めた。

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