生育、水揚げ順調 知内沖サーモン養殖試験【知内】
【知内】町森越沖の大型いけすで試験養殖しているトラウトサーモン(ニジマス)の初年度の水揚げが2日から始まった。外海で実施する道内最大規模の試験事業で、当初の見込みよりも魚体は大型で順調に生育し、150トン程度の水揚げを見込む。一部は「北海道知内サーモン」の名でブランド化を図る計画で、8月以降に町民向けの販売会や学校給食での提供などを予定。知内の新たな特産品としての期待がかかる。
水産加工大手のオカムラ食品工業(青森市)のグループ会社日本サーモンファーム(青森県深浦町)と上磯郡漁協(西山武雄組合長)、町の3者が昨年連携協定を締結。町森越の沖合に直径40メートルのいけすを設置し、昨年11月中旬に約23トン(5・5万匹程度)の種苗を放流した。
水揚げ作業はいけすに2隻の漁船を横付けし、ポンプで吸い上げられたサーモンは電気ショックで仮死状態にしてから血抜きし、氷詰めの状態で同県今別町から青森市内の加工場へと運ばれる。2日に試験的に2000匹を水揚げし、平均重量が3・5キロで、5キロの大物もあったという。町農林水産振興課の沖津優也課長補佐は「知内の沖は潮の流れが速く、水温の低さも良かったのではないか」と話す。
サーモンは試験的に生鮮販売や輸出販売され、町内では町民向けの販売会、学校給食での提供、飲食店や宿泊事業者での活用も視野に消費拡大、知名度向上につなげる。
3者は今年度も試験養殖を継続する予定で、7月中旬以降、増産に向けた環境を整えるため、町上雷の渡島管内さけ・ます増殖事業協会のふ化場施設で初めてサーモン種苗の中間育成を開始予定。
サーモンファームの鈴木宏介社長は「サイズも想定より大きい。潮流の速さや波の高さがある中でのチャレンジで、今後も改善を図りながらやっていきたい」と話す。3日にいけすを視察した西山和夫町長は「想像以上の結果。外海の環境に)不安はあったが日本サーモンファームの豊富な経験が成果につながった。浜の活力や漁業者の経営向上につながれば」と話している。
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