工房、不登校児の居場所に

社会ボランティア賞を受賞した津村健二さん（左から２人目）と妻の千鶴子さん（同３人目）

　登別市緑町の窯元・健千窯を主宰する津村健二さん（７９）が、国際ソロプチミスト日本財団から社会ボランティア賞を受賞した。２０１２年から市内小中学校の不登校の子どもたちに工房を開放し、毎週水曜日には陶芸体験を実施してきたことが高く評価された。

　市教育委員会での勤務が長かった津村さんは、小中学生の不登校問題に関わり、退職後は民間の立場から子どもたちを支えようと、工房を開放して居場所づくりを実践。陶芸体験は出席扱いとみなされるよう尽力した。

　毎年３月には中学３年生を対象に修了式を開き、これまで１００人近くの子どもの門出を見届け、集団生活への復帰を後押ししてきた。津村さんは「始めから事情は聞かない。ゆっくり気持ちを開いてもらえるまで待ってきた」と振り返る。

　表彰式は６日に福岡県で行われ、国際ソロプチミスト登別の幸坂ノリ子会長と石本喜子担当委員長が代理出席。１４日に二人が健千窯を訪れて表彰状を伝達した。

　一緒に子どもたちを支えてきた妻の千鶴子さん（７９）と喜びを分かち合った津村さんは「肩を押されたような気持ち。これからも頑張りたい」と抱負。幸坂会長は「素晴らしいことを長年やってきての表彰。これからも続けてもらえたら」とエールを送っていた。