新島襄の志に思いはせ 碑前祭 来年は同志社創立150周年【函館】
函館から国禁を犯し脱国して渡米、帰国後に同志社大(京都)を創立した新島襄(1843~1890年)をしのぶセレモニー「碑前祭」が14日、函館市大町の「新島襄海外渡航の地」碑前であった。今年は脱国から160年の節目で、憂国の情を抱き海外に目を向けた新島の志に思いをはせた。
学校法人同志社(八田英二総長・理事長)が主催し、函館市が後援。同志社校友会函館クラブ(藤島浩会長)の会員をはじめ、札幌や青森の卒業生ら約50人が参加した。
讃美歌を歌った後、八田総長・理事長が「新島の波乱に富んだ生涯の原点は函館の地にあると言っても過言ではない。160年前にこの地から密出国を図った新島の激動の人生に思いをはせるとともに、同志社の今を託されているわれわれ一人一人が新島の熱い志を再確認し、継承し発展させ150年、200年の大計に向けこん身の努力を続ける決意だ」と式辞。
市観光部の高井暁次長が「同志社の基礎となったのが函館で、深い縁を感じ、市民の誇りにもなっている。これからも同志社と函館の交流が続くことを願う」とあいさつした。八田総長・理事長と高井次長が碑前に献花し、カレッジソングを歌い、新島の功績をたたえた。
新島が脱国した1864(元治元)年6月14日(新暦7月17日)を記念し、碑は1954年に建立。函館クラブを中心に碑前祭を続けてきたが、2010年から学校法人同志社が主催している。
同志社校友会道支部長の草野賀文さん(64)=1984年法学部卒=は「たくさんの人に集まってもらえてうれしい。来年の創立150周年記念事業で、札幌でもイベントがあるので成功させたい」と話した。
来年6月14日には、函館で碑前祭に加え、150周年の記念イベントが開かれる。
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