旧戸井線の遺産「開進橋」 解体完了前最後の見学会 函館市【函館】
函館市は7日、湯川町2と日吉町1にまたがる旧戸井線のコンクリート製3連アーチ橋「開進橋」(市道)について、解体完了前最後の見学会を現地で開いた。都市計画道路日吉中央線の整備に伴い、現在の道路構造の技術基準を満たさず、車両同士の対面通行ができない幅員と老朽化のため今年度に解体する。歴史的価値のある土木遺産を見納めようと、約50人が参加した。
旧戸井線は1937(昭和12)年、津軽海峡の防衛のため建設した津軽要塞の一部だった汐首岬砲台への物資、兵員輸送のため着工。当時は五稜郭駅から戸井駅までの29・2キロを結ぶ予定だったが、戦争の影響や資材不足で工事が中断し、廃線となった歴史がある。開進橋は1942(同17)年、跨線橋(こせんきょう)として建設した。長さ19・6メートル、幅5・0メートル。
旧国鉄から市へ払い下げた後、自転車歩行者専用道の市道「緑園通」の上に位置する橋梁(きょうりょう)として活用し、住民や学生が散歩コース、通学路として親しんでいた。
見学会には、建設業者や「函館の歴史的風土を守る会(歴風会)」、日本技術士会道本部道南技術士会の会員が参加。市の荒谷哲次道路建設課長が「これまで開進橋は、市民が80年にわたり市道として利用してきた。整備に伴い、やむを得ず解体する方針となっている。見ることのできなかったアーチ部やコンクリート断面を間近で体験し、当時の土木技術を見てほしい」とあいさつ。山丁林業の沢村秀治常務は「非常に丁寧な施工で、現代の生コン(固まる前のコンクリート)の2倍以上の強度があると想定する。先人の高い技術を記憶に留めてほしい」と話した。
同会の小山直子会長は「行政が解体後も歴史的に重要な橋の足跡を残す取り組みを行うため、ありがたいと考える。工事をきっかけに旧戸井線の歴史を知ってほしい」と期待を込めた。
市は解体後、開進橋に関する説明板を現地に設置するほか、解体時のコンクリート強度と材料試験データなどの関係書類を市土木部が保存するとしている。
関連記事
狙い定めドローン操縦 室工高1年生が体験【室蘭】
道建設部主催の情報通信技術(ICT)の体験講習会が20日、室蘭市宮の森町の室蘭工業高校(鈴木康礼校長)で行われた。1年生の環境土木科6人、建築科23人が、ICTの基礎知識やドローンの操縦技術を...
12月1日「Xマスコンサート」 サンタの会、活動振り返る展示も【伊達】
西胆振で活動する音楽ボランティアグループ・サンタの会(太田亜紀子代表)のクリスマスチャリティーコンサート「ぼくらの音楽会」が、伊達市梅本町の伊達信用金庫コスモスホールで12月1日に開かれる。ク...
健千窯の津村さんに社会ボランティア賞 国際ソロプチミスト日本財団表彰【登..
工房、不登校児の居場所に 登別市緑町の窯元・健千窯を主宰する津村健二さん(79)が、国際ソロプチミスト日本財団から社会ボランティア賞を受賞した。2012年から市内小中学校の不登校の子どもたちに...
「いい(11)夫婦(22)の日」 最高齢医師 支え合う【音更】
夫婦で田中医院(音更町木野大通東15ノ2)を営み46年目を迎えた精神科医・院長の田中章二さん(85)と、内科医・副院長のサイ子さん(86)。十勝の現役医師で最高齢となった2人は、共に大病を乗り越...
川の見回り 馬上から 悪路も悠々踏破 帯開建と畜大実験【帯広】
帯広開発建設部と帯広畜産大学は21日、帯広市内の札内川河川敷付近で馬を活用した騎馬パトロールの試行実験を実施した。馬を活用することによる河川管理などへの可能性の検討を目的とし、その効果や課題な...
CATEGORY記事カテゴリー
MEDIA参加新聞社
ARCHIVE月別記事リスト
RANKINGアクセスランキング
- 週間アクセス
- 月間アクセス
-
1
道東道阿寒─釧路西 12月22日開通 札幌─釧路市街地直結【釧路市】
2函館市動物愛護管理センター開所 25日から運用 殺処分減へ【函館】
3帯広畜大「ゼニ研」に前田一歩園賞 ゼニガタアザラシの個体数調査継続【札幌】
4昔風の純喫茶復活 マリー・ギャルソン17日営業再開【釧路市】
5トラウトサーモン安定的生産に期待込め 浦河港内で養殖試験 浦河町栽培漁業研究会 事業化に向け可能性探る【浦河】
-
1
高校で卒業式、1623人が門出の日【釧路管内】
2タイ国鉄車両工場長 シンハカーンさん キハ183系を見学 安平
3昔風の純喫茶復活 マリー・ギャルソン17日営業再開【釧路市】
4釧路市動物園、ライオンのユウキ死ぬ【釧路】
5旧狩勝牧場再生へCF 返礼はソフト食べ放題やツアー 北広牧場【新得】