「40周年を機に、次代を担う青少年の育成にさらに努めてまいります」とあいさつする新谷理事長

　【網走】山田記念青少年育成財団（新谷哲也理事長）の創立40周年記念式典が網走セントラルホテルで行われた。

、役員や来賓、関係者など、約40人が出席。開会に先立ち、同財団の設立に尽力し、物故した人たちに黙とうを捧げた。

　新谷理事長はあいさつの中で、「この財団は１９８４年、青少年の健全育成のため山田道雄さん（山田水産工業社長）から市に贈られ基金で設立されました」と、同財団設立の経緯を振り返った。

　その上で「この記念すべき年を１つの節目として、自らの責任と役割を自覚し、豊かな心を備えた次代を担う青少年を育み、健康で明るいまちづくりの一助としてまいります」と、さらなる活動の発展に努めていく決意を述べた。

　設立のきっかけとなった山田道雄氏と大林宏氏（いずれも故人）、遠藤隆也氏に感謝の意を示す記念品が贈られ、それぞれ代理で遺族や家族が受け取った。

　来賓の水谷市長は「91年に創設された山田賞は、子どもたちや指導者の励みとなっている。市にとってもかけがえのない取り組みであり、網走の未来を担う子どもたちの活動を、これからも支えてほしい」と、同財団の活動をたたえた。

　また、40周年記念事業として網走ボート協会に競技用ボート１艇を寄贈。席上、新谷理事長が、同協会の田中弘相談役に目録を手渡した。

　式典に続いて祝賀会が開かれ、岩永雅浩教育長の発声で乾杯。出席した人たちは、歓談ｓながら40年の歴史を振り返っていた。

　アトラクションとして、94年に山田賞を受賞し、現在はピアニストの石田雅さんが、ピアノ演奏で40周年を祝った。

祝賀会でピアノを演奏する石田さん

　石田さんはソロのほか他の楽器の伴奏者として、またピアノとバイオリン、チェロのユニット「Ｓｔｏｒｍ」のメンバーとしても活動している。

　祝賀会では、古里網走を思って作ったというオリジナル曲、また北海道出身アーティストの曲を集めたメドレーなどを演奏した。

　「大空と大地の中で」「与作」など、耳馴染みのあるメロディー、また、網走の海を思わせるピアノの調べに、出席者は１曲ごとに拍手を贈っていた。

　演奏後、石田さんは「中学生ながらに『こんな大きな賞をいだだいて』と恐縮した」と、山田賞受賞当時を振り返るとともに「節目の祝賀会での演奏は、本当に光栄なこと。古里で演奏ができてうれしい」と話していた。

　同財団は84年の設立から、青少年教育、スポーツなどの活動が顕著な個人や団体に「山田賞」を贈っている。

　また、網走市の姉妹都市、カナダのポートアルバーニ市へ少年少女訪問団が派遣される際には補助金を拠出。過去には同市への高校留学生派遣や体験学習など、青少年の国際交流にも力を入れている。