駒ケ岳噴火に備え防災訓練 情報収集、避難への対応実践【函館】
渡島総合振興局(佐藤秀行局長)は、昨年から火山活動が活発化している駒ケ岳(1131メートル)の噴火を想定した防災訓練を渡島合同庁舎で開いた。環駒ケ岳の森、鹿部、七飯の3町とオンラインでつなぎ、被害状況など情報収集や住民の避難に向けた対応を確認し、有事に備えた。
駒ケ岳を巡っては昨年12月から火山性地震が見られ、3月23日には火山性微動を観測。その後は観測がなく、噴火警戒レベルは最も低い「1」(活火山であることに留意)となっている。
訓練は5月31日に実施し、同振興局のほか、環駒ケ岳3町、函館市、北斗市、長万部町、函館地方気象台、函館開発建設部、陸上自衛隊第28普通科連隊、海上自衛隊函館基地隊、函館海上保安部、道警函館方面本部、森警察署、北電といった関係機関から約90人が参加。このうち、森、鹿部、七飯は各町の役場からオンラインで訓練に参加した。
火山性微動が多発していることから午前9時半に噴火警戒レベルを「2」(火口周辺規制)に引き上げ、その後、小噴火、中噴火の発生を受けてレベル「3」(入山規制)、レベル「4」(高齢者等避難)、レベル「5」(避難)が次々と発表されると想定。振興局や各町には災害対策本部が設置された。噴石でけがをし、取り残されている登山者への対応では噴火の状況から救助隊員が入山できるのかどうかを関係機関が集まり協議したほか、鹿部町からの広域避難では函館アリーナに町民約3800人が避難する場面を想定し、避難経路や移動手段などを詳細に確認。参加者は本番さながらの緊迫した雰囲気のもと、さまざまな場面を想定し、災害時の連絡体制を確かめた。
庁舎で広域避難の対応にあたった鹿部町総務・防災課の徳丸照彦防災危機管理官は「現場での調整を実践でき、いい機会になった。スムーズな避難ができるよう備えたい」と話した。
振興局の佐藤局長は講評で「実践を通じ課題の可視化につながった。振興局として関係機関と密接に連携し、訓練を定期的に実施して内容の改善を重ねていきたい」と話した。
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