アツコ２０２４と世話を担当する生産科学科の生徒ら

【新ひだか】全国で唯一サラブレッドの生産から育成までを授業に取り入れている静内農業高（赤穂悦生校長、生徒１６１人）で今年も２頭の子馬が誕生した。現在は生徒たちに見守られながら元気いっぱいにすくすくと育っている。

　畜産系の生産科学科がある同校は、年２頭の割合でサラブレッドの生産に当たり、生徒たちが世話をしている。

　１頭目は繁殖牝馬「アツコ」から生まれた鹿毛の牝馬。出産予定日（３月７日）より少し遅れたが、３月12日の午後８時30分ごろに無事に誕生。父はアメリカ産の人気種牡馬ミスチヴィアスアレックス（日本軽種馬協会静内種馬場けい養）。

　母子の世話は、将来育成牧場や軽種馬牧場への就職を考えていたり、馬の繁殖に興味のある生徒が希望して担当している。

　出産の兆候が見えはじめたころから担当の小林忍教諭とともに、生徒たちがきゅう舎近くで見守ってきた。出産当日は約40人の生徒が見守り、破水から娩出まで良好に進み、約30分で無事に誕生した。

　アツコの出産に立ち会った２年生の空田隆樹さん（兵庫県出身）は「予定日から遅れていたのでまだかと心配していた。けがや病気にならないよう育て、セリ市場に送り出したい」、太田光紀さん（安平町出身）は「平均より大きく生まれた。健康に育ち来年のセリ市で落札されてほしい」とそれぞれ期待に胸を膨らませた。

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ナリタトップスター２ ０２４と世話を担当する生産科学科の生徒ら

　２頭目は繁殖牝馬「ナリタトップスター」から生まれた鹿毛の牡馬。出産予定日（４月12日）より遅れたが、４月24日の午後８時40分ごろに誕生した。父はアメリカ産の人気種牡馬カラヴァッジオ（同）。担当の小林教諭とともに、出産当日は約50人の生徒が見守り、破水から娩出まで良好に進み、約40分で無事に誕生した。

　ナリタトップスターの出産に立ち会った２年生の平岡壱都さん（岡山県出身）は「初めての子馬誕生に立ち会いとても感動した。健康でみんなに愛される馬に育って、中央で走れる馬になってほしい」、廣瀬航輔さん（兵庫県出身）は「間近で見ることができた。立ち上がるまで時間がかかったが、立ち上がったときは感動した。健康に育ち、自分が20歳になったら応援馬券を買って応援したい」とそれぞれ話していた。

　小林教諭は「無事誕生して良かった。セリの舞台まで生徒とともに、健康できちんと育成して行きたい」と話した。