広々、秋まで集団放牧 新ひだか ホルスタインなど87頭入牧【新ひだか】
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検査を終え、牧区へ放牧されるメスのホルスタイン
【新ひだか】静内川合の町有牧野静内団地で14日、静内地区の酪農家が飼育する乳用牛を秋まで集団放牧する事業が始まり、雌のホルスタインなど乳用牛87頭が入牧した。この日は天候に恵まれ、放牧された牛たちは広々とした牧野で自由気ままに歩き回ったり、草を食んでいた。
町有牧野の静内団地は約100㌶あり、静内酪農振興会(小倉正信会長、会員11人)の酪農家が飼育する若い牛を毎年5月中旬から10月末まで集団放牧し、農家の飼育管理の省力化や経費節減を図っている。
前日までに飼育農家が生後半年から2年程度の乳用牛を運搬し入牧。町と運営を業務委託管理するJAしずない、日高家畜保健衛生所、日高農業改良普及センター、北海道農業共済組合日高支所、各農家など関係者約35人が立ち会い、運び込まれた牛の数や体重、病気感染や健康状態をチェックし、ストレス軽減のため年齢の近い4グループに分けて放牧された。
牧野は14牧区に分けられ、草の状態を見ながら放牧する牧区を変更する。また、牛は定期的に獣医師による妊娠鑑定や健康状態の検査を受け、寄生虫病のピロプラズマ症などの感染、発病を予防する。1歳過ぎの牛には人工授精も行われ、秋には体重が150㌔前後までに増えて各農場に戻る予定だ。
酪農振興会の小倉会長は「飼育農家数の減少や牛乳の生産抑制、資材、飼料価格の高騰もあり、非常に厳しい経営状況が続いている。ここに放牧することで、農家にとっても飼育管理の省力化につながっている」と話していた。入牧終了後に、牛魂祭も実施された。
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