西川司さん 時代小説「重蔵」第4巻出版 がん手術後も執筆【函館】
函館在住の小説家、西川司さん(65)は、時代小説「深川の重蔵 捕物控ゑ」の第4弾「罪の跫(あしおと)」を二見時代小説文庫(二見書房)から出版した。昨年12月に第3弾「真実の欠片(かけら)」を発売後、大腸がんが分かり手術を受けた。退院後、体調が万全でない中、4話中2話を書き上げた。「入院を機に人生観が変わり、心に残るせりふを目指し、完成した」と話している。
前半の2話が仕上がった年末、下血に気付き、診察を受けてがんが分かり、1月上旬に手術を受けた。同月末に退院したが締め切りは2月末。それまで考えていた残り2話を「面白くないと思い書き直した」と話す。「初期とはいえ、がんと分かると、自分があと何冊書けるか、何人が読むかを考えるようになった。面白いだけでなく、残るものを書かないといけないと感じた」と振り返る。
物語は江戸後期の深川(現東京都江東区)一帯を仕切る名うての岡っ引き、重蔵の活躍を描く捕り物。同社一推しのシリーズだが、新たな2話は「事件や重蔵の活躍を前面に出さず、犯人がどう生きてきたか、人がどんな思いで死んでいったのかなど人物の生きざまを描いた」と話す。
手術の影響で気力が落ちたが「運良くがんを早期発見でき、自分が生かされている意味が分かった。まだまだ書かなければならないのだと」と執筆を続け、予定通り2月末に仕上げた。担当者から「作風が変わったね」と言われた時、初めて病のことを話したという「作家は締め切りを守ることが第一だから」。
重蔵シリーズ以外も手掛け、新刊は8月に出版予定という。「当たり前だが健康第一と妻に感謝をつくづく感じている」と笑みを浮かべ「時代が進みすぎる現代物ではなく、江戸を舞台にし、安定した読者がいる時代小説を書いていて良かった。今年は無理せず計4冊を書く」と意気込む。
298ページ、文庫判。880円。全国の書店のほか、電子書籍でも販売中。
関連記事
500機ドローン Xマス彩る 道の駅で道内最大級ショー【上士幌】
LEDを搭載したドローン500機が冬の夜空を彩る、「かみしほろクリスマスドローンショー2024」(上士幌町ドローンコンテンツ実行委員会主催)が12月21~25日、上士幌町内の道の駅かみしほろで...
焼き魚をテークアウトで 移動販売「えぞ吉」が専門店開業【帯広】
魚の移動販売が人気だった「えぞ吉」(樽美拓哉代表)は22日、帯広市西21南2に「魚の炭火焼き専門店えぞ吉」を開業する。自家製の干し魚を浦幌木炭で「じっくり丁寧に焼いた」(樽美代表)商品などをテー...
ボージョレ解禁 コクある出来 十勝ワイン新酒もきょうから【帯広】
フランスのボージョレ地区で、その年に収穫したブドウを醸造したワイン「ボージョレ・ヌーボー」の販売が、21日午前0時に解禁された。十勝管内の酒販店にも早速並んでいる。 帯広市西18南3の「ワ...
海中転落、迅速救助に 室蘭海保、2消防と潜水訓練【室蘭】
室蘭海上保安部は18日、室蘭港南防波堤付近の海域で、室蘭と登別の両市消防本部との合同潜水訓練を実施した。車両転落などを想定した要救助者の捜索と救助を通して、万が一の際の手順や連携を確認した。 ...
思い出、ドアと一緒に 洞爺湖温泉観光協会、記念撮影用に設置【洞爺湖】
洞爺湖観光を楽しんでもらおうと、洞爺湖町の洞爺湖温泉観光協会(大西英生会長)は、湖周辺に記念撮影用の開き戸「TOYA DOORS」を設置した。同協会は「フォトスポットとして、ぜひ活用して」とP...
CATEGORY記事カテゴリー
MEDIA参加新聞社
ARCHIVE月別記事リスト
RANKINGアクセスランキング
- 週間アクセス
- 月間アクセス
-
1
道東道阿寒─釧路西 12月22日開通 札幌─釧路市街地直結【釧路市】
2函館市動物愛護管理センター開所 25日から運用 殺処分減へ【函館】
3帯広畜大「ゼニ研」に前田一歩園賞 ゼニガタアザラシの個体数調査継続【札幌】
4昔風の純喫茶復活 マリー・ギャルソン17日営業再開【釧路市】
5トラウトサーモン安定的生産に期待込め 浦河港内で養殖試験 浦河町栽培漁業研究会 事業化に向け可能性探る【浦河】
-
1
高校で卒業式、1623人が門出の日【釧路管内】
2タイ国鉄車両工場長 シンハカーンさん キハ183系を見学 安平
3昔風の純喫茶復活 マリー・ギャルソン17日営業再開【釧路市】
4釧路市動物園、ライオンのユウキ死ぬ【釧路】
5旧狩勝牧場再生へCF 返礼はソフト食べ放題やツアー 北広牧場【新得】