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函館新聞

沿線自治体、困惑の声 札幌延伸延期 新たな開業時期示されず【函館】

 北海道新幹線の整備を担う鉄道・運輸機構が2030年度末の札幌延伸が困難であると正式に発表したことを受け、新幹線駅の建設や駅前周辺の整備計画が進む沿線自治体からは新たな開業時期の目標が示されないことに対しての困惑の声が聞かれた。

 新函館北斗駅が所在する北斗市の池田達雄市長は「駅前の企業誘致について、計画の見直しが必要になる。沿線自治体にとってまちづくりや地域経済に影響を与えるもので、変更後の開業年や今後の見通しを早急に示してほしい」と要望。また、「今後、並行在来線の方向性を示すに当たり、結論がずれ込むなどの影響が出るのでは」と危惧する。

 八雲町では昨年11月から春日地区で新幹線駅の建設工事が始まり、駅周辺の整備は推進会議を通じて町民の意見を取り入れながら検討している。町政策推進課は「開業に向け準備を進めてきたので残念。どのくらい遅れるのかが気になるところで、早めに目標年度を示してほしい」と求める。

 長万部町では現在のJR長万部駅に新幹線駅の建設を計画し、町内ではすでに高架橋工事が着工。当初の30年度末を目標に、町は駅前の再開発や周辺の土地区画整理事業を進めており、町新幹線推進課は「現時点で開業時期が未定なのが心配で、早くはっきりしてほしい。町としては変わらず、30年度末を目標に事業を進めていく」としている。

 札幌延伸と同時期での函館駅への新幹線乗り入れ実現を目指す函館市の大泉潤市長は「新幹線の函館駅乗り入れは、札幌開業に合わせて実現することが望ましいと考えており、今後も関係機関と話し合いを重ねながら検討を進めていきたい」とコメント。

 また、鈴木直道知事は「われわれ地元関係者にとっては大変遺憾。道としては国と鉄道・運輸機構に対し、沿線自治体など地元関係者と連携しながら、一日も早い完成・開業に向けて取り組むよう強く求めていく」、JR北海道の綿貫泰之社長は「引き続き札幌駅周辺の再開発事業を新幹線のスケジュールによらず着実に進め、一日も早い北海道新幹線全線開業に向けて取り組む」とそれぞれコメントした。

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