大丸、十勝客に食指 初の送迎バスに買い物客80人【札幌】
大丸札幌店は10日、帯広・音更発着の送迎バス付き買い物イベントを開催した。バスを運行して地方からの買い物客を呼び込む企画は初めて。昨年1月の藤丸閉店を受け、十勝の顧客を獲得し商圏拡大につなげる狙いがある。
十勝では、藤丸に続き長崎屋帯広店が閉店。6月にはイトーヨーカドー帯広店の撤退が決まっており、大型店が次々と姿を消している。
大丸札幌店販売促進担当の藤尾智美さんは「藤丸が閉店し、買い物する場所がないとの声を聞いていた。十勝の皆さまに買い物を楽しんでもらおうと企画した」と説明する。
この日は、抽選で当選した40組80人が参加。バスは午前7時に帯広市内のとかちプラザ前を出発、道の駅おとふけを経て同11時に大丸札幌店に到着した。
「地域と一緒に取り組みたい」(大丸)との意向で、JAGAの太田道子さん、同局とFMノースウェーブでDJを務める後藤朋子さんが同乗し、参加者を盛り上げた。
参加料は1人2000円。商品券(2000円分)と食事券(1000円分)が配布され、参加者は4時間ほど買い物や食事を楽しみ、再びバスに乗り込んで十勝へ。1歳の娘と母、妹らと参加した渡辺莉奈さん(28)は「これまで札幌に来るのは連休だけだった。長距離運転をせずに日帰りでき、バス車内も修学旅行のような気分でワクワクした。同様のイベントがあればまた参加したい」と話していた。
札幌での買い物は8年ぶりという70代主婦高倉美恵子さんは、「藤丸閉店で買い物の楽しみが減ってしまっていたが、久しぶりに札幌に来たいと思い申し込んだ。札幌駅周辺がすっかり変わっていて、驚いた。店内をいろいろ見て食器や洋服、菓子などを購入した」と笑顔を見せていた。
「藤丸は十勝エリアの皆さまにとても愛されていた百貨店。ギフトも人気があり、地域に根付いていた」と藤尾さん。今後のイベント開催は未定だが、「タッチポイントを増やし、帯広の方に身近に感じてもらえる百貨店になれれば。参加者のアンケートなどを踏まえ、お客さまに喜んでいただけるイベントを検討していきたい」としている。
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