渋沢新紙幣盛り上げ 7月3日に記念式典【清水】
清水町の開拓に先鞭(せんべん)をつけた渋沢栄一の肖像画の新1万円札が7月に発行されるのに合わせ、町は記念事業などを展開する。発行開始の同3日には関係者を招いた記念式典を予定しているほか、連携協定を結んだ東京都北区など全国ゆかりの地と年間を通して交流を深める事業を行う。
町の本格的な開墾は、「日本近代資本主義の父」と称される渋沢が1898(明治31)年に十勝開墾合資会社を設立し、26戸の小作人を熊牛地区に入植させたのが始まり。
新しい1万円札の肖像に採用され、大河ドラマのモデルにも決まった2019年から、町は改めて渋沢ゆかりの地としての地域おこしに力を入れ、生誕の地の埼玉県深谷市や、自宅を構えた東京都北区などと交流を深めてきた。23年11月には渋沢にゆかりの深い12自治体・団体による「渋沢栄一翁の顕彰に関する包括連携協定」に加入した。
新1万円札発行日の7月3日は公共施設に懸垂幕とタペストリーを設置する。町内の小中学校には渋沢ゆかりの食材を使った学校給食を提供。同合資会社の畜舎で、現在も使われている渋谷牧場の牛舎のライトアップも行う。
7月には東京都北区の児童20人が来町して植樹体験やホームステイを行う「友好の森事業」を予定。8月は町内児童8人を埼玉県深谷市の八基小学校に派遣して交流を図る。11月は渋沢の命日の献花式に参列し、生誕の地を巡る町民ツアーに20人が参加する。
同社から土地や工費の寄付を受けて建てられた青淵山寿光寺では8月23、24の両日、講話や渋沢が好んだ煮ぼうとう作り、宿泊体験を予定。新1万円札の焼き印が入った菓子類の販売や町観光パンフレットの刷新を計画している。
渋沢関連の総事業費は約1190万円。町企画課は「新1万円札発行を最大の契機のつもりで盛り上げていく。渋沢ゆかりの地の自治体同士で将来にわたって交流を続けていければ」としている。
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