【根室】根室高校生初の自主イベント「小中学生に勉強を教えようｉｎ春休み」が同校で行われた。「自分たちはもっとやりたいことがある」－。生徒たちの意をくんだ市教育委員会と根室高校側が協力、勉強を通じて世代を超えた交流を実現させた。

　きっかけは根室高校生徒会が参加した市教育委員会の会議。高校生側から地域貢献に対し意欲的な意見が出た一方で、実現できずに諦めてきた経緯が説明された。市教委側は「やりたいことがあるなら相談して」と応じ、その後、生徒会メンバーを社会教育講演会に誘い、同講師との意見交換で助言とエールを受けた生徒たちが企画したのが「勉強会」だ。

　初の企画は６日に行われ、新１年生を含む小学生２１人、中学生７人が参加。午前の部は小学生が国語、算数、理科に分かれて生徒会１０人とボランティア局１人の高校生から勉強を教わった。午前中には根室高校の松田素寛校長や市教委の波岸克泰教育長らが見学に訪れ、高校生らの頑張る姿に目を細めていた。

　勉強会は当初こそ緊張感が見られたものの、漢字の書き方や九九の問題など新学年の問題に挑戦したり、正解する度に高校生とハイタッチしたりと和やかに進んだ。歯舞学園３年の成田琉一さんは「楽しかった。教え方が分かりやすく、たくさん勉強できた」と笑顔を見せた。

　勉強会を企画した根室高校生徒会の大野秀羽会長（１７）は「初めての試みで不安はあったけど、たくさん参加してくれてうれしかった。小中学生との関わりが必要だと思っていたので勉強会を通じて仲良くなりたかった」と話し、今後の開催にも意欲を見せていた。

先生役の高校生と小中学生が交流しながら勉強会を行った