札幌上映の初回で来場者を出迎える（左から）賀来さん、藤監督、木村さん

　鹿追を中心に十勝で撮影された映画「おしゃべりな写真館」（藤嘉行監督）の上映が２９日、札幌など道内６カ所で始まった。

　札幌シネマフロンティア（札幌市中央区）の初回では平日の日中にもかかわらず約１００人が来場。終了後には舞台あいさつがあり、藤監督は「鹿追の景色にほれてこの映画をつくった」と語り、主人公の妻役の賀来千香子さんは「後に残していく人への思いや生きていくことへの感謝を感じながら演じた。皆さんの力を借り札幌から全国に広がるとうれしい」と述べた。札幌市出身でバス運転手を演じた三味線奏者、木村善行さんの演奏も行われた。

　鹿追町出身で姉と来館した千葉真子さん（２８）＝札幌市＝は、写真が趣味で酪農業を営んでいた亡き祖父を主人公に重ね、「トラクターや畑の風景が懐かしく、昔のことを思い出して帰りたくなった」と話した。帯広市出身の６０代女性は「十勝晴れの空や然別湖に感動した。ほっとする内容も良かった」と笑顔だった。１０月１１日からは、東京、名古屋、大阪、京都、神戸の全国５都市で公開される。