社会復帰に役立てて 今年も刑務所に図書寄贈 網走オパール職親会【網走】
【網走】受刑者の社会復帰を支援する団体「網走オパール職親会」はこのほど、受刑者に利用してもらおうと網走刑務所に図書8冊を贈った。
土屋善治郎会長(土屋工業社長)と笈田壽一副会長(大東建設社長)が同刑務所を訪れ、中村寛之所長に図書の目録を手渡した。
贈ったのは国語辞典や漢和辞典、漢和辞典のほか、資格取得やビジネスマナーのガイドブックなど8冊。
以前は娯楽用の小説などが好まれたが、近年は就職に役立ててもらうための実用書などの要望が多いという。これらは新しい内容でなければ役に立たないほか、辞書も利用する人が多いことから傷みやすく、今回はこれらを中心に贈ったという。
図書の目録を受け取った中村所長は「受刑者は本を読む時間もあり、図書の寄贈は大変ありがたい」と、同会に感謝するとともに「支えてくれる人がいることは、受刑者の励みになる。『社会に出ても、1人ではない』ということを、受刑者も知ってほしい」と話していた。
同会は、刑期を終えて出所した人たちの雇用確保など社会復帰支援、更正施設への協力などを目的に1994年、オホーツク管内で初めて発足。現在は33の企業が加盟しており、市内の更生保護法人「網走慈恵院」に対する助成などの活動を続けている。
名称のオパールは犯罪者の更正と予防に関する法律「犯罪者予防更正法」の英語読みから頭文字を取っており、以前は全国に10団体ほどがオパールの名を冠していたが、現在は減少。そんな中でも、釧路保護監察所管内では網走のほか北見、釧路の3団体がオパールの名の下で活動を続けているという。
同刑務所への図書寄贈は97年から毎年行っており、今年で28回目。当初は会員が本を持ち寄って贈っていたが、受刑者の社会復帰に役立つ本を―と、近年は刑務所の希望する本を購入して贈っているという。
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