移転を検討している函館商工会議所の現事務所

　函館商工会議所（久保俊幸会頭）は、若松町にある事務所の移転に向け、検討を始めた。ビルの老朽化に加え、巨大地震発生時に函館駅前地区は津波浸水想定区域内にあることなどが主な理由で、正副会頭らで構成する特別委員会で協議を進め、来年をめどに計画をまとめたい考え。

　同会議所は１９２３（大正１２）年から現在の大手町に自前の事務所を構え、６７年に若松町の函館北洋ビル６階を区分所有して移転。現事務所での業務は２００９年から開始し、旧野村証券ビルを取得、改修して移った。

　現ビルは７５（昭和５０）年築で鉄骨造４階建て、延べ床面積約１２６０平方メートル。中小企業基盤整備機構、ジェトロ北海道なども入居しているが、築５０年近くが経過し、所内では漏水が起こるなど老朽化が進んでいる。さらに巨大地震発生時には津波被害も想定され、実際に２０１１年の東日本大震災では駐車場で床下浸水が発生していた。

　特別委は２７日の通常議員総会で設置を決議し、久保会頭が委員長、副会頭４人が副委員長を務める。移転先は災害リスクを踏まえ、五稜郭地区など函館駅前地区以外の選択肢も挙がっている。

　同会議所は来年９月で創立１３０周年を迎えることから、久保会頭は「周年に合わせた記念事業として計画を公表したい」としている。