函館山山頂展望台の混雑解消、魅力向上へ 市が新年度から取り組み【函館】
函館市は新年度、函館山ロープウェイ(浅井忠美社長)での山頂展望台の混雑緩和に向け「函館山夜景魅力度向上事業」に取り組む。実証実験を行い、観光客や市民が屋上展望台に集中するのを避け、漁火公園や山頂広場、山頂展望台の各フロアからも景色を楽しみ、回遊性を高める。事業は委託業者をプロポーザルで募集し、8月に運用を始める。
屋上展望台は、昨年5月の新型コロナウイルス5類移行後、日本人観光客が回復し、台湾人を中心とした外国人観光客増加の影響で、函館山を訪れる来場者が増加。また、近年の見物客の特徴で、SNSや動画投稿サイト「ユーチューブ」での人気拡大もあり、スマートフォンで日没や夜景の動画を撮影するなど滞在時間が伸びている。こうした理由で山頂で混雑が生まれており、実験は来場者の集中を分散するのが狙い。
市は、雲海テラスで人気を集める星野リゾートトマムに着目。2021年にリニューアルオープンし、メインデッキ以外に山道に沿って設置した6カ所の展望スポットがあり、違った角度から雲海の絶景を楽しめる。一点に集中しないよう工夫を施し、周遊も楽しめ人気を集めている。
市観光企画課によると、繁忙期に函館山を訪れた観光客のアンケートで「人垣が3重、4重、5重にも混雑し、十分に見ることができなかった」「せっかく来たのに残念」という声が多く寄せられた。委託業者から撮影スポットの新設や、イルミネーション設置、ライトアップなど来場者の動線が活性化する提案を見込む。
同課は「他都市の事例をヒントに回遊性を改善し、定番の構図のほか、他の眺望スポットをPRしたい」としている。
市は、実証実験のほか、函館山登山道の渋滞が昨年、多かったことを踏まえ、交通規制期間以外で初めて交通量調査を4月8~18の11日間で行う。事業者は競争入札で決め委託し、タクシーやバス、自家用車の割合を分析する。両事業の予算は815万円。
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