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函館新聞

【東日本大震災13年】巨大地震で避難所に6万人を想定 簡易トイレなど備蓄進む 函館市【函館】

 函館市は、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震に関し、市内で最大6万人が避難所に避難するとの想定を明らかにした。能登半島地震の被災地では断水が長期化し、トイレや入浴、洗濯が課題となった。市は速やかに設置できる段ボール製の簡易トイレ615台を備蓄するなど、対策を進めている。11日は東日本大震災発生から丸13年―。

 市によると、現在の災害備蓄品の状況は、レトルトご飯や缶詰パンなどの非常食8万1000食、ペットボトル飲料水7万7000本、停電時に備え発電機100台、投光器390台、マスクや消毒液などの感染症対策用品の配備、寒さ対策のポータブルストーブ580台、毛布2万8000枚のほか、カイロ、底冷え防止用敷きマットなど。

 備蓄品は指定避難所を基本に分散配備し、各支所にも保管。避難所で備蓄品の不足が生じた場合、避難所間の融通や保管場所からの配送で対応。災害が長期化すれば民間事業者との災害協定に依拠し確保する。

 能登地震では、断水や下水道被害でトイレや洗濯、入浴が制限されるなど厳しい環境での避難生活が続いている。市は断水でトイレが使用できない場合に備え、段ボール製簡易トイレ615台、自動で排せつ物を密閉する電動式の簡易トイレ100台を準備。簡易トイレ不足や災害が長期化する場合、民間事業者との災害協定に基づき仮設トイレを調達し対応する。

 風呂対策は、体拭きタオルの備蓄を進め、函館浴場協同組合と災害時の協定を結んでおり、市民へ風呂や生活用水の提供を見込んでいる。

 洗濯機の備蓄はしていないが、災害時に洗濯ができないという課題に対応するため、民間事業者との協力関係の構築を検討する。

 能登地震は全国各地からトイレトレーラーが被災地に集まって活躍したが、市は高額で普段は屋外イベントなど活用法が限定されるため、所有などは想定していないとする。

 また、ペットを連れた避難に対し、市内の指定避難所87カ所のうち、屋外敷地内に係留する飼育スペースを設けている施設が49カ所、ペットをケージに入れるなどの条件はあるが、屋内専用スペースを設けている施設が19カ所の計68カ所がペットを連れた避難が可能という。

 市災害対策課は「能登地震の状況を検証しながら、備蓄品の追加を検討する。避難所生活で衛生環境の確保は重要で、トイレ、洗濯、風呂対策について調査・検討を深める」としている。

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