化学肥料+堆肥 「複合肥料」の活用法開発 道南農試など【函館】
道総研道南農試(北斗市)と中央農試(空知管内長沼町)は、化学肥料と堆肥を混ぜ込んで作った「複合肥料」の活用法を開発した。複合肥料は追肥を省略できるなど省力施肥のメリットがあり、道南農試のハウスでトマトとホウレンソウの栽培試験を行ったところ、収量は対照区と同等で労働時間が削減できる有効な方法だと分かった。環境に優しいクリーン農業の推進を後押しする技術として注目される。
研究は、渡島農業改良普及センターやホクレンなどが協力。堆肥は道独自の表示制度「イエス!クリーン」には欠かせないが、品質が不安定で散布労力が掛かり、入手が困難なことが課題で、土づくりに使うのに難色を示す農家も少なくない。このため、簡易で省力的な技術が求められており、両農試は堆肥入り複合肥料を使った実証試験を行った。
複合肥料は化学肥料と牛ふん、油かす、豚ふん、コメぬか、鶏ふんなどから作った堆肥を混ぜ合わせたもので、本州では市販されているが、道内には製造工場がないため農家は購入することができない。省力施肥が可能で、施肥設計が楽、雑草が生えにくいなどの利点がある。
道南農試によると、トマトの収量は対照区と同等で、基肥(最初の施肥)のみで追肥を削減できることを確認。ホウレンソウの収量も対照区と同等程度取れた。労働時間の試算(ハウス)は、対照区に比べトマトで10アールあたり13時間、ホウレンソウは同4時間それぞれ削減できたという。
一方、中央農試が行った露地でのキャベツとタマネギの栽培試験によると、収量、労働時間とも対照区と同等との結果を得た。
複合肥料について、民間事業者が2024~25年度にも道央に製造工場を建設する計画で、26年度をめどに道産堆肥を活用した複合肥料の流通が始まる見通し。
道南農試の研究職員、古林直太さん(27)は「土づくりで堆肥の完全置き換えはできないものの、少しでも有機物を入れたい、省力化したいという人にはお薦め。環境に優しいクリーン農業の推進に貢献したい」と話している。
関連記事
500機ドローン Xマス彩る 道の駅で道内最大級ショー【上士幌】
LEDを搭載したドローン500機が冬の夜空を彩る、「かみしほろクリスマスドローンショー2024」(上士幌町ドローンコンテンツ実行委員会主催)が12月21~25日、上士幌町内の道の駅かみしほろで...
焼き魚をテークアウトで 移動販売「えぞ吉」が専門店開業【帯広】
魚の移動販売が人気だった「えぞ吉」(樽美拓哉代表)は22日、帯広市西21南2に「魚の炭火焼き専門店えぞ吉」を開業する。自家製の干し魚を浦幌木炭で「じっくり丁寧に焼いた」(樽美代表)商品などをテー...
ボージョレ解禁 コクある出来 十勝ワイン新酒もきょうから【帯広】
フランスのボージョレ地区で、その年に収穫したブドウを醸造したワイン「ボージョレ・ヌーボー」の販売が、21日午前0時に解禁された。十勝管内の酒販店にも早速並んでいる。 帯広市西18南3の「ワ...
海中転落、迅速救助に 室蘭海保、2消防と潜水訓練【室蘭】
室蘭海上保安部は18日、室蘭港南防波堤付近の海域で、室蘭と登別の両市消防本部との合同潜水訓練を実施した。車両転落などを想定した要救助者の捜索と救助を通して、万が一の際の手順や連携を確認した。 ...
思い出、ドアと一緒に 洞爺湖温泉観光協会、記念撮影用に設置【洞爺湖】
洞爺湖観光を楽しんでもらおうと、洞爺湖町の洞爺湖温泉観光協会(大西英生会長)は、湖周辺に記念撮影用の開き戸「TOYA DOORS」を設置した。同協会は「フォトスポットとして、ぜひ活用して」とP...
CATEGORY記事カテゴリー
MEDIA参加新聞社
ARCHIVE月別記事リスト
RANKINGアクセスランキング
- 週間アクセス
- 月間アクセス
-
1
道東道阿寒─釧路西 12月22日開通 札幌─釧路市街地直結【釧路市】
2函館市動物愛護管理センター開所 25日から運用 殺処分減へ【函館】
3帯広畜大「ゼニ研」に前田一歩園賞 ゼニガタアザラシの個体数調査継続【札幌】
4昔風の純喫茶復活 マリー・ギャルソン17日営業再開【釧路市】
5トラウトサーモン安定的生産に期待込め 浦河港内で養殖試験 浦河町栽培漁業研究会 事業化に向け可能性探る【浦河】
-
1
高校で卒業式、1623人が門出の日【釧路管内】
2タイ国鉄車両工場長 シンハカーンさん キハ183系を見学 安平
3昔風の純喫茶復活 マリー・ギャルソン17日営業再開【釧路市】
4釧路市動物園、ライオンのユウキ死ぬ【釧路】
5旧狩勝牧場再生へCF 返礼はソフト食べ放題やツアー 北広牧場【新得】