口承文芸や古式舞踊を楽しむ 平取 シシリムカアイヌ文化祭【平取】
【平取】沙流川流域(シシリムカ)のアイヌ文化の伝承活動を発表する「第34回シシリムカアイヌ文化祭」が18日、町中央公民館で開かれ、町内外から約300人が来場しアイヌ文化の口承文芸や古式舞踊などを楽しんだ。
平取アイヌ協会(木村英彦会長)、平取アイヌ文化保存会(長野環会長)、平取町二風谷アイヌ語教室(川奈野一信運営委員長)主催。
開会式で来賓の遠藤桂一町長は「日頃の学習の成果を楽しみにしている。アイヌ施策推進法が令和元年5月に施行され、アイヌ政策交付金制度が創立して6年目を迎えるが、当町は相当な成果を挙げている。アイヌの伝統工芸文化、担い手育成など多方面から評価されている。21世紀・アイヌ文化伝承の森プロジェクトなど長年にわたる地道な活動が次の世代に繋げていけるよう、より一層進化したものにしていきたい」、藤沢澄雄道議は「ハワイの先住民と話した時、文化を伝えるために根本になくてはならないものは言語だと言っていた。アイヌ文化復興に向けてアイヌ語を大切にし次世代に繋げてほしい」とそれぞれあいさつした。
同文化祭は、二風谷アイヌ語教室の子どもの部で開幕。教室生13人が歌、手遊びなどを発表し、同成人の部12人による口承文芸では、カムイユカラ(神謡)、ユカラ(英雄叙事詩)、イヨンノッカ(子守歌)など、平取アイヌ保存会の27人は、ウポポ(座り歌)、クリムセ(弓の舞)、アンナホーレ(鳥の舞)などの古式舞踊を披露。
また、昨年10月に12日間の日程で行われた「青少年国際交流事業」(ニュージーランド短期相互留学)に参加した平取高校3年の進藤綾斗さんと仲山大温さんが、マオリ民族学校を訪問し、互いの文化を学び合いながら交流し、親睦を深めたことを報告した。
特別公演の古式舞踊では、東京五輪セレモニーに参加した北海道アイヌ協会舞踊チーム「パラル」の16人がムックリ(口琴)やエムシリムセ(剣の舞)、フッタレチュイ(黒髪の踊り)など13演目を披露し観客を魅了した。最後は会場の観客と共に「輪踊り」を踊り一体となって交流しフィナーレを飾った。
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