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苫小牧民報

トレーラー運転補助 システム研究 荷役作業の効率化目指す 苫栗林運輸ら開発

苫小牧市元中野町の港湾・貨物運送業、苫小牧栗林運輸(栗林秀光社長)がトレーラー運転補助システムの研究を進めている。国土交通省の「港湾技術開発制度」を受託し、今年度から2025年度までの3カ年で実証。運転手の高齢化や人手不足が深刻化する中、荷役作業の効率化などを通して課題を解決するのが狙い。同社は「25年1月ごろには、自立走行の試験を始めたい」と展望している。

運転補助システムの開発に向け、苫小牧国際コンテナターミナルで測量

 港湾荷役作業を担うトレーラーの運転を補助する機能の技術開発は全国初。同制度は、港湾施設で生産性向上や労働環境改善につなげようと、国の委託事業として集中的に研究や開発を進める新規事業。同社、日野自動車(東京)、重工業メーカーの三井E&S(同)の3社で共同受託した。

 日野自動車のトラック1台を改造し、苫小牧港・東港中央埠頭(ふとう)の苫小牧国際コンテナターミナル(市弁天)で、決められたルートを自動で動き、荷役作業をできるように実証する。トレーラーには安全管理者として常に1人が乗車し、緊急時には手動で対応する。GPS(全地球測位システム)やセンサーを使い、トレーラーの位置や行動を捕捉するシステムの設計を検討している。

 現在は開発に必要な港内のルートなど、要件定義を定める作業を進めている。昨年12月14日からは同ターミナルで、日野自動車が中心となって測量がスタート。GPSやセンサーを搭載した車を使ってGPS精度を測っており、LiDAR(ライダー)と呼ばれるセンサー技術を使った計測も行った。今年度中にもシステムの開発を始める計画だ。

 港湾施設は労働者の高齢化が課題で、「働き方改革」への対策が急務。同社もドライバーの平均年齢は50歳代と高齢化する中、船舶1隻に対してトラック4台で荷役作業を行い、「夜間作業がつらい」などの声が上がっていた。運転補助システム完成で環境改善が進めば、高齢のドライバーらも作業に関わりやすくなり、苫小牧栗林運輸の小林秀昭取締役現業部長(52)は「港湾労働者が不足していることを考えれば、高齢でも働ける環境は必要。人材確保にもつながれば」と期待している。

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