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苫小牧民報

高校生被災地ガイド「さざんか」 震災体験伝えたい 地道に活動 厚真

厚真町観光協会が昨年養成に乗り出した、胆振東部地震の被災体験などを伝える高校生被災地ガイド。現在は厚真高校に通う1~3年生4人が在籍し、「困難に打ち克つ」という花言葉を持つ「さざんか」をグループ名に、ガイドを務めている。さらに定期的に集まって防災意識を高めているほか、昨年末は防災イベントに参加してガイドの概要を紹介するなど地道な活動を繰り広げている。

昨年末に行われた高校生防災カフェで参加者の質問に応じる厚真高の被災地ガイドメンバー

 さざんかは昨年、町観光協会と町の公営塾「よりみち学舎」が協力し、地元高校生から養成する形で始動。同年9月、2年生の加藤迅さん(17)と1年生の木村璃空さん(16)、蹴揚葉月さん(16)の3人がガイドとしてデビューを果たした。その後、「記憶の継承に貢献したい」と3年の赤田賢哉さん(18)もメンバーに加わり、同協会の事務所を拠点に活動を継続してきた。

 さざんかは、震災を経験した若い世代が花言葉を基に「難しいことに悩みながらも、前へ進んでいきたい」(加藤さん)との思いを込めて名付けた。昨年12月下旬には北海道高校生防災カフェにオンラインで参加し、ガイドになったきっかけや思いを発信した。

 加藤さんは「元に戻って終わりではない。亡くなった人や傷ついた人もいるので、その時に合った思いを伝えるようにしてきた」とこれまでを振り返り、「自分の被災体験を伝えることで、防災の意識を高め、胆振東部地震の記憶を残していきたい」。木村さんはガイド以外に「防災キャンプなどもっといろんなことに挑戦したい」と展望を語った。赤田さんは今春、町内での就職が決まっており、「これから厚真で働いていく上で絶対に必要になること。記憶の継承に貢献していきたい」と卒業後も活動に携わっていくつもりだ。

 グループでリーダーを務める蹴揚さんは、初めてガイドを務めた時のことを「自分の気持ちは、なかなか言葉になって出てこない。緊張して思っていたことの半分以上頭の中から飛んでしまい、悔しかったことが忘れられない」と言う。今後も「もっと語り部の技術を磨き、聞いている方の記憶に残るガイドをしたい」と気持ちを新たにする。

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