別海町出身の河崎秋子さん（２０２０年度釧新郷土芸術賞受賞者）の書籍「ともぐい」（新潮社）が第１７０回直木賞（日本文学振興会主催）の候補作にノミネートされ、釧路市内の書店では、河崎さんの書籍を前面に出し、他の５人の候補作も並べた特設コーナーを設けるなど、盛り上がりを見せている。

　河崎さんは、昨年の第１６７回直木賞候補作「締め殺しの樹」（小学館）に続き、２度目のノミネート。コーチャンフォー釧路店（春採７）では発表があった１４日、特設の書籍コーナーを用意した。候補作「ともぐい」は１１月１８日から発売され、コーチャンフォーグループ１０店舗で１４日までに２３９冊が販売された。釧路店だけでも３３冊が売れ、同店では「短期間でこれだけ売れるのは珍しい」と話している。

　同店では「作品の舞台は明治後期の白糠。熊と猟師の真実に迫った``熊文学､､の最高峰として、誇りを持ってお薦めしたい１冊」と話している。

　 イオン釧路昭和店内のブックスヒロセでは昨年も河崎さんの作品を集め、コーナーを作っており、今回も作品を集め準備している。イオン釧路店内のくまざわ書店釧路店もコーナーを作る予定。釧路市中央図書館６階の釧路文学館では入り口付近に特設コーナーを今月末頃に設置するため準備を進めている。河崎さんの新刊と、これまでの書籍を単体で並べる予定で、ポップなども用意するという。

　選考会は来年１月１７日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれる。