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苫小牧民報

歴史や文化語り合う カナダ先住民族一行、来町 アイヌ協会と交流 白老

カナダ西部に位置するブリティッシュコロンビア(BC)州政府関係者や州先住民族会議の理事ら5人が15日、白老町大町の白老アイヌ協会事務所「ノシキ」を訪れ、白老アイヌ協会(山丸和幸理事長)の役員と会談した。先住民の権利保護や相互理解のための人的交流をテーマに語り合い、同化政策に苦しんだ共通の歴史を確認するなどして交流を深めた。

会談するプライス氏(右)と山丸理事長(左)

 来町したのは、同会議の首長で、同州先住民族のヌクサルク族とダケル・キャリア族のルーツを持つリンダ・プライス氏と会談を仲介した在日カナダ大使館の職員や通訳の計7人。同州政府などによると、一行は今月、州内の木材の活用や商談のために政府高官らと来日した。

 同協会との会談はプライス氏側が要望し、山丸理事長ら役員4人が応じた。プライス氏は、かつてカナダ連邦政府は先住民族の児童を保護者から隔離して「寄宿学校」に収容し、英語やフランス語の教育を強要するなど同化政策を進めたことを説明。日本とカナダの両国には、先住民族が同化政策に苦しめられた共通の歴史があることを確認した。カナダの先住権については「国内各地の先住民が力を合わせ、国連と連動して活動することで権利回復が進んでいる」と語った。

 副首長のハーラン・シリング氏は両国の先住民族同士が学び合う関係を持つことに強い関心を示し、「われわれもアイヌ文化に学びたいし、皆さんもぜひ私たちの所へ来てほしい」と述べた。

 山丸理事長は「自分たちの権利を主張し続けたカナダの皆さんの強さに胸を打たれた。われわれも言うべき時には言う対応をすべきだと感じた」と語った。

 会談後、プライス氏は、「(アイヌ民族とは)衣食住や歴史、世界観などに共通点があると再認識した。出会いを契機に先住民族に関わる課題も共有し、さらに交流を深めていきたい」とし、ムース(ヘラジカ)の皮を使った履き物と伝統の文様をあしらったネクタイを協会に贈った。協会側もアイヌ文様入りのコースターやアクセサリーをプライス氏に手渡していた。

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