【中標津】町内の自動車整備業「カードックＳ・Ｐ」で働くミャンマーからの技能実習生ウィン・ミン・タンさん（３０）が、国家資格の自動車整備士３級シャシに合格した。検定試験を行う釧路地方自動車整備振興会（釧路）によると、外国人技能実習生の合格は釧路地方（釧根管内）では第１号の快挙。

　日本自動車整備振興会連合会（東京）によると、ウィンさんが受験した３級シャシ学科試験（１０月実施）には、全国から９４２人が臨み６０７人が合格。合格率が６４・４％と日本人にとっても簡単ではない試験だった。

　外国人技能実習生の多くは、問題文が平仮名で漢字にルビが付く評価試験を受験する傾向にあるという。釧路地方自動車整備振興会の山澤晃彦常務理事は「（外国人技能実習生が）一般の試験を受験すること自体が珍しく、まして合格は釧根では初めて。全道的にも珍しい」とたたえている。

　ウィンさんは２０２１年２月から同社で働く。整備士の技量のみならず熱意もあり、松平将崇専務（３４）から受験を勧められた。５月ごろから勉強を始め、少なくとも６０００個ある問題文の漢字の意味を頭にたたきこんで臨み、見事「一発合格」。整備士の仕事に誇りを持っており、国家資格を手に「母国での起業」の夢へ意欲を新たにしている。

　同社従業員１９人中５人（ミャンマー３人、インド２人）が外国人。松平専務は「ウィンは仕事が早く難しいことができる能力がある。長く働いてステップアップしてほしい」と期待を寄せている。

国家資格の合格証書を手にウィンさん