バス運転体験会に83人 釧根連携 人材確保へアピール【釧路市】
深刻な運転手不足に悩む釧路、根室のバス会社3社(くしろバス、阿寒バス、根室交通)と行政が連携して企画した運転体験・合同就職相談会が11日、釧路運転免許試験場(釧路市大楽毛北1)で開かれ、予想を上回る83人が来場した。このまま運転手不足が続けば地域の足が維持できなくなる恐れがあることから、バス会社では人材確保へ懸命のアピールを行っている。
バス運転体験・合同就職相談会は4年ぶり3回目の開催。2018年に釧路で開いた第1回の来場者は45人、20年に中標津で開いた第2回は15人だったが、今回は午前10時の開場時に50人近くが受付で列をつくった。運転体験は実際に3社が運行するバス1台ずつを使い、試験場のコースを1周するというもので、延べ143人が参加した。定年を迎えるのを機に子供のころからの夢だったバス運転手を志望している釧路市の高橋美行さん(60)は「普通車とブレーキの感覚が違ったが、視界が高いので見やすかった」と感想を話していた。
合同就職相談会では3社がそれぞれブースを設け、仕事内容や労働条件、大型2種免許取得制度などを説明し、40人が参加。転職を考えているという釧路市の女性会社員(42)は「もともと運転の仕事に興味があったので、運転手不足の話を聞いて来てみた。給料や休暇の話も聞けて良かった」と話していた。
バス業界では、運転手の高齢化や人材不足に加え、法改正で運転手の休息時間確保などが必要となる「2024年問題」への対応を迫られ、くしろバスでは10月のダイヤ改正で減便を実施している。同社の畑毛正文参事は「特に、貸し切りバスのシーズンは運転手が足りないが、高齢で退職する運転手も多く、その補充が課題。少しでも採用につながってくれれば」と期待していた。
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