地域の防災士、児童に指導 深堀小で防災について学ぶ授業【函館】
函館深堀小学校(島修一校長)で30日、防災について学ぶ授業が行われた。函館市が養成した地域の防災士が講師を務め、4年生の児童約50人に新聞紙のスリッパやごみ袋のポンチョの作り方を指導した。児童は工作感覚で作業を楽しみながら、災害時の心構えと知識を身に付けた。
授業は、1日に行われた深駒町会の行事「防災大運動会」に4年生の児童が参加したことがきっかけ。その場で新聞紙のスリッパ作りを学び、同級生にも伝えたいと思ったことを地域住民らが知り、学校に働き掛けてこの日の授業が実現した。
講師を務めたのは校区の3町会(深駒と深堀、花園)の防災士5人。函館市の支援制度を活用し、資格を取得したメンバーで構成する函館市防災士会(はこぼう会)に所属しており、市の防災活動に協力している。今回は地域独自の取り組みとして初めて行った。
授業は防災士の役割の説明からスタートし、自助、共助、公助の考え方も紹介した。防災士の一人で深駒町会の厚谷享子副会長(68)は「皆さんはまず自分や家族の命を守ることを考えてほしい。新聞紙のスリッパやごみ袋のポンチョはいざという時に役に立つはず」とあいさつした。
児童は新聞紙を折って、災害時にガラスの破片から足を守るスリッパを完成。ほかにビニールのごみ袋に切れ目を入れ、寒さを防ぐポンチョも作った。防災士からアドバイスを受けた児童は作業しながら、防災意識を高めた。
佐々木晴さん(10)は「初めて作ったので難しかった。災害の時に思い出せるように、家でも作ってみたい」と話した。厚谷副会長は児童の反応に手応えを感じた様子。「授業をきっかけに防災に関心を持ってもらいたい。防災士として今後も地域の役に立てれば」と語った。
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