連日の死亡事故 現場診断【釧路市】
釧路署(岡田昭広署長)などは20日、10月17、18日の日中、釧路市春湖台の市立釧路総合病院と釧路市春採7で発生した死亡交通事故の現場診断を行った。同署や釧路市、釧路交通安全協会などの関係者が参加し、犠牲者に黙とうをささげて実施。今後の事故防止に向けて意見を交わした。
市立釧路総合病院での事故は、病院正面玄関から出てきた母親(40)と娘(4)が、停車状態から突然発進した乗用車に右側からはねられ、車は娘を車の下に巻き込んで前方に止まっていた別の車両に衝突。元の位置に後退しようとして、再び娘をひいた。母親が負傷し、娘は亡くなった。
現場診断には同病院の担当者をはじめ12人が参加。事故を受け、同病院は玄関前の駐車帯を規制し一般車と介護車両の停車場所を分けたほか、玄関前の交通誘導員を1人から2人に増やすなどの対策を取った。
参加者からは「駐車場内に注意喚起の看板を設置しては」「歩行者通路の区画線が消えかかっているので、塗り直す」「免許返納の相談会窓口を釧路署に臨時で開設する」などの意見が出た。釧路署の工藤敦也交通官は「たいへん痛ましい事故。対策を考え実行し、再発防止を図るのが大事だ」と話していた。
釧路市春採7の市道での事故は18日、高齢女性2人が市道を横断し歩道に上がらずに車道を歩いていたところ、後ろから来た車にはねられ死亡した。
現場診断には、同署や釧路市、バス停が近くにあることから、くしろバスの関係者を含む17人が参加。工藤交通官は2人が道路を横断した理由は分かっていないとした上で、バス停近くの縁石が低くなっている所から渡り始めた可能性を指摘した。
参加者からは「現場はカーブが多く、信号機や横断歩道の設置には慎重な検討が必要」「低い縁石が斜め横断を誘発するリスクがある」「免許返納者が利用可能な、割安なバス定期券で返納意欲を高める」などの意見が出た。工藤交通官は「道路の設備については市と、バス停についてはバス会社と話し合い、実効性のある対応策を検討する。同じ事故が起きないよう、連携を密にしていく」と話していた。
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