農林水産大臣賞を受賞した久末さん

賞状を掲げる三上さん

　第４２回全国豊かな海づくり大会北海道大会作品コンクール（実行委など主催）で、上ノ国高校２年の久末真奈美さん（１６）が作文・高等学校の部で農林水産大臣賞に、作文・小学校高学年の部で函館聾学校６年の三上ゆづ希さん（１２）が環境大臣賞に輝いた。２人は９月１７日、釧路管内厚岸町で開かれた大会の会場で賞状を受けた。

　コンクールは道内の児童・生徒を対象に、海の恵みや環境保全の大切さ、水産業などを題材に作文・絵画・習字作品を募集。作文４１６８点、絵画３１７９点、習字６５４４点の応募があり、このうち作文・高等学校の部には１７３１点が、作文・小学校高学年の部には９８５点が寄せられた。

　久末さんは「コロナ終息からの出発」と題し、森林伐採が海に及ぼす影響と、ごみによる海洋汚染問題を取り上げた。これまで課題解決に自ら取り組めていなかったことを振り返りながら、新型コロナウイルスの流行終息を機に課題に向き合うことを誓った心境の変化をまとめた。

　国語教諭で久末さんの担任の上野靖教諭は「言い切り方がはっきりしていて、自信に満ちあふれ、自分や周りを励ます文章表現になっている」と評価。久末さんは「驚いている。また機会があれば挑戦したいし、賞を頂いたことをきっかけに、大学を目指した勉強により力を入れたい」と話した。

　三上さんは「地球を守るためにできること」と題し、海洋プラスチックごみ問題を取り上げた。昨年参加したボランティア活動「海のクリーンアップ大作戦」で、湯の川地区の海岸にゴミが散らばっている風景を目の当たりにした経験を振り返りながら、プラスチックを使わないライフスタイルの提案や、ゴミのポイ捨てをしないよう、得意な読み聞かせを生かして、「ゴミのポイ捨てをやめよう」と多くの人に訴えたいという思いをまとめた。

　担任の宮野健教諭は「作文に表現された感性がすばらしい」と評価。三上さんは、母の絵理華さん（３３）が函館水産高生徒だった２００８年に「世界子ども水フォーラム」に参加し、自然環境の再生を全国の中高生と議論した体験を聞かされていたといい、「お母さんから受け継いだこの考えを、子どもや孫たちにもつなげていきたい」と目を輝かせていた。

　このほかの道南の受賞者は次の通り（敬称略）。 　【作文】◇小学校低学年の部▽水産庁長官賞＝谷藤大耀（知内小３）▽入選＝澤田優翔（同）◇小学校高学年の部▽道知事賞＝永田怜子（函館あさひ小５）◇中学校の部▽入選＝百崎乃衣（八雲中３）

　【絵画】◇小学校低学年の部▽入選＝三浦健信（函館神山小２）◇小学校高学年の部▽道教委教育長賞＝工藤遥（鹿部小５）▽入選＝岩井悠憂（同） 　【習字】◇小学校高学年の部▽道知事賞＝松谷侑依（松前松城小６）▽入選＝松本愛那（函館本通小６）