川湯温泉街再整備へ 弟子屈町マスタープラン公表【弟子屈】
【弟子屈】川湯が変わる―。町は、川湯温泉街の再整備に関する基本的な方針をまとめ「阿寒摩周国立公園川湯温泉街まちづくりマスタープラン」を公表した。温泉街を流れる「湯の川」や豊かな自然といった地域の特長を生かした空間を整備し、持続可能な温泉街を目指す。プランは約20年計画となっており、第1段階は2026年に完了を予定している。
同温泉街は現在、湯の川(温泉川)との接点が少ない、廃業したホテルや店舗が多い、エリアの入り口が不明瞭などの課題を抱えており、歴史があり自然環境にも恵まれているという魅力が来訪者に伝わりにくい状態となっている。
阿寒摩周国立公園が環境省の国立公園満喫プロジェクトで、先行的、集中的にブランド化などの取り組みを実施する公園の一つとして指定されたことなどを契機に、川湯温泉の魅力を世界に発信するための新たな事業を推進しようと、今回のマスタープランを策定した。
プランのコンセプトは「湯の川がつむぐカルデラの森の温泉街」。川湯らしさを損なわずに自然とにぎわいを一体化させ、温泉や宿泊に加え、ロングトレイルの立ち寄りや日帰り観光など訪れる新たな目的を創出し、1年を通した集客増を図る。
温泉川に漬かれるエリアや露天風呂やサウナなどを楽しめる日帰り温泉などで構成される「川湯広場」、温泉川に気軽に触れられる親水エリア「川湯テラス」、川沿いに小さな屋台を点在させた「川湯横丁」、アクティビティーの拠点となるキャンプ場やアウトドアセンターなどを、35年ごろまでの3段階に分けて整備する。
このうち第1段階として、川湯広場を旧川湯グランドホテルと旧御園ホテルの跡地を中心に建設を進め、星野リゾートの旅館「界テシカガ」と同時に26年に開業させる。温泉川に漬かれるエリアは、アイスランドのブルーラグーンのように水着などを着て混浴で入れるようにする。テラスや横丁の一部も先行オープンする予定だ。
町観光商工課の秋山一夫課長は「新しいものも取り入れて、川湯に行ってみたいと思ってもらえるようなまちづくりを目指す。地元の方がこれをステップにしてしっかりと経営できるように考えていきたい」と話している。
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