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函館新聞

ふるさと納税6億6000万円 駆け込み需要8~9月好調【函館】

 函館市は、今年度9月末現在のふるさと納税寄付額が前年同期比2・9倍の6億6000万円に上ったと明らかにした。今月から国のルール変更で市でも駆け込み需要があったためとみられる。市は大泉潤市長の公約で4年間でふるさと納税収入100億円を目指しているが、今回前倒しの寄付が増えたことから、最需要期の年末にどの程度の寄付が来るのかは不透明だ。

 市経済企画課によると、今年4~7月の寄付額は全ての月で前年を上回り、同1・5~1・7倍で推移。8月は同2倍の7310万円、9月は同5・4倍の3億9500万円と好調だった。ふるさと納税の担当部署が2022年度から財務部から経済部に移り、専用サイトに掲載する写真の見直しを行ったことが奏功した。返礼品はサケやイカなどの水産物、松前漬けやカニ足などの水産加工品、コンビニエンスストア「ハセガワストア」のやきとりなどが人気となっている。

 しかし、反動減もあって今月第1週の寄付額は前年を下回り、同課は「年間寄付額の4~5割が集中する11~12月に例年通り伸びるか不安視している」と打ち明ける。

 市は9月以降順次、年間寄付額20億円を目標に新たな返礼品を増やすとともにPR強化に取り組む。9月23日には、日本最大のショッピングセンター「イオンレイクタウン」(埼玉県越谷市)に市長自ら足を運び、市の観光や返礼品をアピール。また、関東や東北での北海道物産展で、市のふるさと納税のぼり旗やパンフレットを置き、市への寄付を呼び掛けた。

 今月からは、道内水産物の冷凍加工を専門に行う「きゅういち」(函館)が扱う、中国の禁輸措置で影響を受けているホタテを市のふるさと納税返礼品に採用した。

 ルール厳格化で、同じ返礼品でも寄付金額が上がったり量が減ったりすることが予想されるが、市は内部でやりくりして現状を維持する方針。市の22年度寄付受け入れ額は過去最高の11億9700万円で、同課は「年度ごとの実績を見ながら、課題解決に向けた検証を繰り返し、最終的に100億円を目指す」としている。

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