渡島総合振興局若手職員 道南スギ使いベンチ改修【函館】
渡島総合振興局は、老朽化で使用できなくなった渡島合同庁舎(函館市美原4)中庭のベンチ15台について、道南スギを活用し改修した。林務課や東部森林室の若手職員がデザインを考案したり、使用木材の切り出しを行ったりして、取り付けを手掛け、木のぬくもりを感じられる新たなベンチに生まれ変わった。
振興局は昨年、若手職員が「渡島ベンチプロジェクト」を立ち上げ、屋外のロータリー横広場と正面玄関前のベンチを改修。今年は林務課、東部森林室の採用2~7年目の職員9人が参加し、10日に実施。今回改修した中庭のベンチは1997年の庁舎竣工(しゅんこう)以来設置している。
改修に向け、1月に森町の製材業「ハルキ」、3月に函館市入舟町の家具製作「くらcra」を訪れ、改修に必要な加工技術や作業の流れを学習。6月に七飯町の町有林で使用する道南スギを現地調達。ベンチのデザインは切り株に腰を下ろし、森林の中で休憩するイメージとし、業務でのチェーンソー安全使用の資格を持つ職員が、伐採した木材を円盤や半円盤に切断し、材料をそろえた。
やすりがけや防腐剤入りの塗料を塗るなどの作業を経て組み立て、設置作業を行った。円盤の木材にはひび割れ防止のため切れ目を入れ、半円盤は2枚合わせて切り株を表現。職員がインパクトドライバーを使い、木材をボルトとナットで固定。道産木材の使用をPRする証「ホッカイドウウッド」のロゴマークを焼き印で押し、完成させた。
東部森林室の技師、吉川慶人さん(21)は「設計通りに組み立てるのは苦労した。一から考えて作り上げたので達成感がある」、林務課の技師、山内杏友さん(同)は「見た目もかわいらしく仕上がった。職員をはじめ、来庁者もぜひ利用し、木の良さを感じてほしい」と話した。
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