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十勝毎日新聞

「スタートアップ支援を」 宇宙サミット閉幕【帯広】

 日本最大級の宇宙ビジネスカンファレンス「北海道宇宙サミット2023」は12日午後、担い手であるスタートアップ(新興企業)の育成などを議論し、全日程を終えた。会場のベルクラシック帯広には道内外の行政、企業関係者ら800人が詰め掛け、大樹町が整備を進める北海道スペースポート(HOSPO、宇宙港)への関心の高まり、成長分野の宇宙を巡る“熱気”を印象付けた。

北海道宇宙サミットの主催団体の関係者、セッション登壇者、スタッフら

 大樹町、HOSPO運営会社スペースコタン、とかち財団、十勝毎日新聞社で構成する実行委員会の主催。オンラインでも2200人が聴講した。

 午前中は宇宙基本計画の策定に関わった官民のキーマン4人が、施策展開のスピードアップを議論。インターステラテクノロジズ(IST、大樹町)の稲川貴大社長らが出演したセッションでは、IST以外の台湾を含む3社が、大樹町内でのロケットや実験機の打ち上げに意欲を示した。

 午後は衛星情報を活用した農漁業の展開を考え、4道県(道、鹿児島、大分、鳥取)の担当者が「宇宙のまちづくり」について現状を報告。IST創業者の堀江貴文さんらは、スタートアップを核とした産官学連携のイノベーションシステムについて議論した。

 堀江さんは、内閣府による日本版SBIR制度(中小企業の技術革新支援)の加速化を評価。「宇宙産業の育成は国内サプライチェーンの維持に関わる。いまを逃すと技術立国の日本で、二度とロケットを作れなくなる」と語り、国のさらなる支援強化を訴えた。

 大樹町の黒川豊町長は「参加者が非常に多く、宇宙への関心の高まりを実感した。この機運、流れをつかんでスペースポート構想を実現したい」と強調。

 小田切義憲実行委員長(スペースコタン社長)は「来年はいずれかでロケットが打ち上がり、宇宙への関心はさらに高まる。(サミットは)現状の形態を踏襲しつつ、次のステップにつながるようなものに充実したい」と話していた。

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