誰1人取り残さない! 福祉と災害対応を融合 市内西地区が防災研修会
【網走】西地区地域活動推進協議会(國分安三会長)が、地域住民を対象にした防災研修会を西コミュニティセンターで開き、要介護者や施設入所者なども含めた災害対応を学んだ。
当初は要介護者の車いすを含めた避難訓練を行う予定だったが、悪天候が予想されたため中止。代わりに、同コミセン内で車いすや要介護者の体験、AR(拡張現実)を使った消火体験などをした。
ARを使った消火体験は、モニターが組み込まれたゴーグルを頭に付けると周囲の景色がモニターを通して見え、そこにCG(コンピューターグラフィック)で作った炎が重ねられる仕組み。
手に持ったコントローラーが消火器のホースになり、うまく放水できれば、炎のCGが消えて「消火完了」となる。
ゴーグルをつけた参加者は、目の前にある景色に炎が現れるCGのハイテク技術に驚きながら、コントローラーで消火。確実に消す人、いくらコントローラーで炎に水をかけても消えず「消えないよー」とあきらめる人など、さまざまだった。
同協議会の猪澤航防災生活安全部会長(大曲郵便局長)は「災害時には誰も取り残さないよう福祉と防災を融合させ、参加者には要介護者の介助も体験してもらったので、地域の防災力も上がったと思う。多くの人に体験してもらえるよう、来年以降も継続していきたい」と話していた。
大曲地区は近年、高齢者福祉施設の開設などから、認知症サポーターの養成講座受講など、施設の存在を意識した地域の活動に力を入れている。
今回の防災研修会もそのひとつ。同コミセンでは高齢者ふれあいの家が活動しているほか、向かいには高齢者福祉施設があることから、災害時にこれらの人を避難させるにはどうすればよいかを確認するため、定期的に行っている。
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