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函館新聞

生フロランタン商品化 豆腐と酪農の課題解決めざす【函館】

おからと脱脂粉乳を使った生フロランタンを商品化した(左から)齊藤亘胤さん、吉田さん、岡本さん、齊藤いゆさん

 函館の一般社団法人ローカルレボリューション(岡本啓吾代表理事)は、おからと脱脂粉乳を使った新たな北海道銘菓を作るプロジェクトで、焼き菓子「生フロランタン」を商品化した。豆腐とバター製造時の副産物で、食用の利用率が低いことに着目。商品開発を通じ、豆腐と酪農業界での社会課題の解決を目指す。

 「おまめとみるくに花束を」とのブランド名で、3種類のスイーツを今年度中に販売する予定。第一弾が生フロランタンで、今月からシエスタハコダテ、函館空港、北斗市のカフェ「ポッケディッシュ」で販売している。

 ポッケディッシュのオーナーシェフで、法人理事を務める齊藤亘胤さん(47)の妻美寿々さん(43)=パティシエ=がレシピを監修。洋菓子店「函館ふうげつどう」に製造委託し、森町のおおば製パンも製造に加わる。

 おからと脱脂粉乳をたっぷり使い、脱脂粉乳で生のような食感を出し、生地がおからでふんわりしているのが特徴。バター、生クリームの使用を極力抑え、おからと脱脂粉乳で補っている。

 岡本さん(37)は「おからと脱脂粉乳の価値を高め、豆腐、酪農業界のみんながより良くなる仕組みを作りたい。商品をきっかけに豆腐、酪農の問題に目を向けてもらえれば」と話す。

 おからは、豆腐を作る際に大豆を搾った後の残りかすで、全国の廃棄量は年間70万トン。道南での排出量は年550トンで、25メートルプール1個の水量に相当するという。おからの全国利用率は1%程度で、多くが産業廃棄物として処分される。

 一方、脱脂粉乳は、バターを作る際にできる副産物で、生乳余剰で長期間保存できる脱脂粉乳に仕向けられ、在庫が膨らんでいる。新型コロナウイルス禍で積み上がった在庫量は6万8900トン(6月末現在)と、適正水準とされる5万~6万トンを上回って削減に苦慮している。企画に賛同する八雲町の酪農家、吉田知弘さん(30)は「生乳の需給調整のしわ寄せを受けるのが脱脂粉乳だ。酪農家を応援し、商品を買ってもらうのはありがたい」という。

 同法人は昨年11月、低利用食材だった函館産マイワシを活用した「ハコダテアンチョビ」の本格販売に成功。経験を生かし、酪農と豆腐を巡る社会課題の解決に何ができるか考え、栄養価の高い未利用食材を使った新商品開発を企画した。生フロランタンは3個入り1404円。

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