バス拠点にカフェ 十勝バス 空き店舗で実証、11月開業【帯広】
十勝バスを中心に運輸業者や建設業者、食品小売業者などで構成する「十勝圏公共交通共創プラットフォーム」が、2023年度の「共創モデル実証プロジェクト」(国土交通省)に採択された。利用者増加を目指し、コミュニティースペースとして機能するミニ・バスターミナルを設ける他、貨客混載に特化したバス車両を製作・運行し、採算性を向上させることで地方路線の維持につなげる。
ミニ・バスターミナルは、商品販売やカフェ機能を持たせることで、普段公共交通を利用しない人にも足を運んでもらい、バスの利便性をPRする交通拠点をつくることが狙い。
十勝バスは昨年度も実証実験として、帯広市内大空地区の飲食店を「にぎわいターミナル(NT)」と位置付け、食品販売や健康教室などの取り組みを実施した。同社は「飲食店は外から中の様子をうかがいづらく、気軽に入りにくいとの声があった」と分析。今年度は大空地区の薬局跡をターミナルに改修、ガラス張りで見通しの良い室内にカフェ機能を設け、地域住民が集いやすいスペースを目指す。
スペースでは、食品販売や市内中心部への日帰りツアーなどを企画し、バス利用を促す。
帯広-広尾間で貨客混載バス
貨客混載バスは週に数回、帯広-広尾間で佐川急便の荷物を運送する。通常の貨客混載は、客席に荷物を載せることが多いが、積載量を増やすため後部座席を数席外し、貨物用のスペースをつくる。乗車人数が少ない地方路線でも、荷物を載せることで収益性を上げ、路線網の維持につなげる狙いがある。十勝バスの長沢敏彦事業本部長は「人口減少が進み、バスの利用者は減少するが、トラック業界はドライバー不足で困っている。物流事業への参画によって、地方路線網の維持につなげたい」と話す。
事業費は二つの事業を合わせて3000万円ほどを想定。ターミナル事業は11月上旬~24年1月下旬、物流事業は24年1月の実施を予定している。
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