青蘭フェリー就航、青森へ第1便 復活航路、希望乗せ【室蘭】
室蘭市と青森市を結ぶ津軽海峡フェリー(函館市、村上玉樹代表取締役社長)の青蘭フェリーが2日夜、就航した。7時間で結ぶ中距離航路。物流・運送業界の休息確保の2024年問題の対応に加え、経済、港湾振興、さらに観光による交流人口増などが期待される。室蘭発の第1便は午後8時に室蘭港を出発。市民らが旗などを振って見送り、航路開設を喜んだ。
就航船は、同社が14年から函館-青森間で運航していたブルーマーメイド(8820トン、全長約144メートル)。9月26、27日にトライアル、30日に記念式典を実施。フェリーターミナルに室蘭支店開設や車両甲板に続くふ頭内の進入路整備、さらにフェリーターミナル駐車場にシャシーや乗船待機場などを周知する看板設置と準備が進められた。
第1便にはトラック42台、乗用車32台、バイク7台、乗客233人が乗船した。
周辺の混雑防止で出発時のセレモニーは見送られたが、15年ぶりの青蘭航路復活を見届けようと市民らが駆け付けた。ゆっくり岸壁を離れるブルーマーメイドに旗を振り見送り。船上デッキからペンライトを振る乗船客の姿もあった。
室蘭市栄町の主婦、池田悦子さん(53)は「長女が4月から弘前市内に進学しており、今後も続いてほしい」と期待を込めた。亡父が青森出身という柏木町の穴水孝子さん(80)は「フェリーで毎年青森に行っていた。甲板に出て受ける風が気持ちいいんです」。室蘭港を愛する会の山川明代表(74)は「青蘭航路の15年ぶりの復活はうれしい。地域が一体となり西胆振を盛り上げていければ」と話した。
3日午前3時に青森港に到着。折り返しの室蘭港に向け出発式を行う。
近年の室蘭のフェリー航路を巡っては、川崎近海汽船(本社東京)が18年6月に室蘭-宮古(岩手県宮古市)間の宮蘭航路を就航。貨物輸送の苦戦により、20年4月から室蘭-八戸(青森県八戸市)間へ変更。22年2月から休止になっている。
2024年問題に加えて、道央圏を中心とした物流マーケットを狙い、津軽海峡フェリーが15年ぶりの青蘭航路開設を決めた。貨物に加え観光客増による交流人口獲得の両軸で航路発展を目指していく。
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