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函館新聞

充実の体験や展示 防災マルシェで意識高める【函館】

すごろくを囲み、永野さん(右)と一緒に避難経路を考える参加者

 函館市女性会議(佐々木香会長)は9月30日、市地域交流まちづくりセンター(末広町)で「はこだて防災マルシェ」を開いた。訪れた市民はゲームを体験したり、展示を見たりして防災意識を高めた。

 「誰ひとり取り残さない防災を目指して」がテーマ。企業や障害者団体、学生グループなど31団体が参加し、活動を紹介した。

 ステージイベントで講師を務めたのは、静岡市の弁護士で防災士の永野海さん。東日本大震災をきっかけに津波からの避難を考えるゲーム「津波避難すごろく」を考案。参加者は永野さんの説明を聞きながら、ゲームを体験した。

 マス目に山やマンション、ビルなどと一緒に高さを示す数字が書かれた地図を使用。津波が襲ってきた時に無事助かっているか、避難経路や逃げた場所は安全だったかを考えるというもの。

 最後にサイコロの出た目の合計で津波の高さと到達時間を決めるルールで、永野さんは「津波の高さやいつくるかは実際には分からない。サイコロと同じで運次第」と解説した。

 日ごろから避難経路について考えることの重要性を指摘し、「1分間揺れたら津波の予感。避難のスイッチを入れて」と呼びかけた。ゲームを体験した大妻高福祉科2年の松永莉野さん(16)は「学んだことを避難に生かすため、津波ハザードマップを確認して避難経路を考えたい」と感想を語った。

 また、札幌のクールスターは、災害時に活用することができる厨房設備を搭載した大型バス「クルーズキッチン」を出動させた。厨房では同会議のメンバーが大量のカレーや豚汁を調理し、炊き出しとして来場者に振る舞った。

 マルシェは今年で3年目で多くの市民が訪れた。佐々木会長(60)は「楽しみながら防災について考える取り組みが、市民の間に少しずつ広がってきている」と手応えを語った。

 1日は午前10時から市防災会議主催の函館市防災フェスタ2023が緑の島で開かれる。

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