北海道ニュースリンクは北海道の参加新聞社がニュース・イベントを配信するサイトです

日高報知新聞

「チセ」の屋根改修作業 平取 二風谷コタンで報告会【平取】

改修作業が行われていた「アシクネチセ」=6日=

【平取】アイヌ民族の伝統的なコタン(集落)を再現した二風谷の広場「二風谷コタン」で、8月28日から9月7日の11日間、伝統家屋「チセ」1棟の屋根改修作業が行われた。この報告会が7日、イオル文化交流センターで開かれ、指導に関わった町アイヌ文化振興公社職員を含め計25人が参加した。

 文化庁の事業で、技能・技術の伝承を育成するため委託を受けている日本茅葺き文化協会(安藤邦廣代表理事・茨城県つくば市)が主催した。

 茅葺き職人の尾崎剛さん(二風谷民芸組合)と同協会の縁で、過去にも平取町に来ていることもあり、今年の茅葺きのタイミングに同協会が「茅葺き研修」を行いたいと計画し実施した。同協会からは茅葺き職人4人、大学生を含む茅葺きインターン6人、理事及び事務局5人の計15人が参加。同協会は毎年全国各地で茅葺き研修を行っている。

 今回は平成23年に完成したアシクネチセ(縦5・4㍍×横3・6㍍、高さ5㍍、床面積約20平方㍍)の屋根改修で、12年が経過したことから作業が行われた。研修生の真剣な作業と天候も味方し、順調に作業は進んだ。

 報告会では、参加した全員が一人ひとり体験した感想を語った。高知県香川大で建築を専攻し、現在京都工芸繊維大大学院2年の津村祥平さん(24)は「いろいろな地域で学んできたが、尾崎さんは棟・梁の水平などを伝統工芸として行っており、チセづくりの本質を体験することができた。なた一本で作り、足場板を効率的に使う技術など、とても面白い研修になった。体験を生かし前向きに技術を習得して茅葺きの伝統を継承していきたい」と意欲を示した。

 同協会の代表理事(筑波大名誉教授・工学博士)の安藤さんは「ユネスコに登録されている14の技術保護団体の1つがこの文化協会。とても素晴らしい研修になった。平取町は若い人の伝統文化を継承する人材が育ってきている。中々こういう場所はないのでとても貴重だ。今回、指導を受けた若き職人・インターンたちは、アイヌ民族の精神にも触れ技術を習得できたことは大変良かった」と話した。

 大竹孝広町アイヌ文化振興公社総務部長は「11日間の作業に感謝。研修生たちがチセの上に上がった時、尾崎さんの手先をじっと見つめ、何もかも学ぼうとする姿が印象的だった。公社の若手もまだまだ教えてもらう立場であり、皆さんに教えることにより自分たちの力を確認することができ、相乗効果があったように思う。また機会があれば二風谷へ来てください」と締めくくった。

 今後は、11月15~17日に茅刈の研修も予定している。

関連記事

函館新聞

品種開発より速く 道南農試で真夏の稲刈り【北斗】

 【北斗】道総研道南農試(市本町、藤田真美子場長)は25日、世代促進温室で試験栽培している水稲の収穫を行った。コメの品種開発をより速くするための試験で、今年1期作目。黄金色に実った稲を、職員ら8...

函館新聞

仏モンティーユ社のワイナリー完成 観光振興に一役 函館市桔梗町【函館】

 仏ブルゴーニュ地方の老舗ワイナリー、ドメーヌ・ド・モンティーユ社の現地法人「ド・モンティーユ&北海道」のワイナリー(醸造所、函館市桔梗町)が完成し、26日に現地で開所式が開かれた。世界的に知名...

釧路新聞

気球体験で阿寒湖一望 地域住民ら空の旅【釧路市】

  マリモで釧路を盛り上げ隊(浅野一弘会長)と釧路みなとライオンズクラブまりも支部(馬場英樹会長)は21日、「気球体験会」を釧路市阿寒湖畔スポーツ広場(阿寒湖温泉5)で開いた。地域住民や外国人観光客...

苫小牧民報

姿勢整え精神統一 28日まで中央院で朝座禅会 苫小牧

苫小牧市元町の曹洞宗寺院「中央院」(荒澤道範住職)は26日から28日まで、本堂で朝座禅会を開いている。初日は市民ら20人が参加。早朝の静寂の中、1時間にわたって精神統一した。  朝座禅会は市民...

苫小牧民報

燻製カシュー ハスカップの枝で 起業型地域おこし協力隊の山下さん 厚真

厚真町の起業型地域おこし協力隊として活動する山下裕由(ひろゆき)さん(34)は、町の特産品ハスカップの剪定(せんてい)された枝を使用していぶしたカシューナッツを開発した。町周辺の木材を活用していぶ...

CATEGORY記事カテゴリー

MEDIA参加新聞社

ARCHIVE月別記事リスト

RANKINGアクセスランキング

  • 週間アクセス
  • 月間アクセス