「全力を出し切る」と闘志を燃やす伊藤さん

　豪腕自慢が鍛え上げた腕力と技を競い合う「アームレスリング」。室蘭市八丁平に住む会社員伊藤和也さん（５３）が、２７日にマレーシアで開催されるアームレスリング世界大会「ＩＦＡ世界アームレスリング選手権大会」に出場する。

　伊藤さんは昨年、フランスで開かれた同大会で７８キロ級（５０歳以上）のレフトハンド部門優勝、ライトハンド部門準優勝を飾り、今大会では連覇と左右同時優勝の偉業達成に挑戦する。前大会ライトハンド決勝で敗れた英国選手へのリベンジにも闘志を燃やしており、「勝つためのイメージトレーニングも重ねている。腕力は昨年より強いよ」と不敵な笑みを浮かべる。

　約３０年前、アームレスリングの世界に飛び込んだ伊藤さん。身長１６９センチと小柄ながら体重は８８キロ（当時６０キロ）、腕の太さは４２センチを誇る。大会３カ月前から始めるという減量生活で当日までに１０キロ近く減らし、体脂肪率も１０％以下と引き締まった体に仕上げる。

　朝食はプロテイン、昼食はおにぎり一つで夜はブロッコリーやキュウリなど野菜中心。「食べたい欲求」を我慢する生活を乗り越えられるのは妻の倫子さんによるサポートあってこそ。飽きないよう工夫された味付けや体に気を使った調理、「昔はけんかもしたけど、今は感謝しかない。ありがたいですよ」と頬を赤らめる伊藤さん。

　大会には世界各国の力自慢約２０人が出場、「真の豪腕」が決まる。伊藤さんは２５日に出国し、レフトハンド部門（２７日）、ライトハンド部門（２８日）に挑む。「全力を出し切り、強敵をなぎ倒してきます」と誓った。