クマ目撃、根室で過去最多63件【根室】
【根室】今年度の市内のヒグマ目撃情報が11日、過去最多を2件更新する63件となった。ヒグマが冬眠に向け餌の捕食を活発化させるこの時期は、人身被害が増える秋のキノコ採りシーズンとも重なることから、改めて「ヒグマに遭わないように」と注意を呼び掛けている。
市によると、10日から11日にかけて2件の情報が寄せられ、今年度の目撃情報が63件となった。年度途中ながら、統計開始以来過去最多だった昨年度の61件を上回った。
市農林課によると、統計を開始した2009年度以降、市内の目撃情報は3~28件の間で増減を繰り返しながら推移。17年度までの9年間は年平均19・5件だったが、18年度から40件台に急増。21年度までの4年間の平均は46・25件となり、昨年度は過去最多の61件を数えた。
道猟友会根室支部は対策会議の中で「ふんや足跡などを目にする機会が増えており、明らかに個体数は増えている」と述べていた。市教委の外山雅大学芸員は、札幌市内に出没したヒグマが大きなニュースとなった影響から、「個体数の増加に加え、市民のヒグマへの関心も高まっているため」と目撃情報の増加を分析する。
幸い市内では大きな被害は確認されていないものの、道や市は「ヒグマに遭わないため」として①1人で野山に入らない②音を出しながら歩く③ヒグマの出没情報を確認する④ふんや足跡を見たら引き返す⑤食べ物やごみは持ち帰る―などを訴えている。
道は秋のヒグマ注意特別期間(9月2日~10月31日)を設け、注意喚起している。ヒグマによる人身事故は4~6月、9~10月に多く発生しており、半数以上が山菜・キノコ採りの最中との統計が出ている。
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