【根室】航空自衛隊根室分屯基地のオリジナル唐揚げを、北海道社交飲食生活衛生同業組合根室支部加盟の１３店舗でメニュー展開することになった。空自唐揚げは全国基地内の食堂でそれぞれオリジナルで鶏の唐揚げを提供している。名付けて「空自空（から）上げ」。根室基地の唐揚げは歯舞産のコンブと八方つゆを使った「昆（コン）布（ブ）唐揚げ」で、９月１日から同基地のレシピに１３の飲食店が個性を加えて提供する。

　海上自衛隊は海自カレーで陸上自衛隊はご当地レシピ、航空自衛隊は空自空上げ。空自は２０１５年から「より上を目指す」という意味を込めて「空上げ」と名付け、全国の基地で地元産食材を取り入れた唐揚げを食堂メニューとして展開している。根室分屯基地の昆布唐揚げは１８年ごろに完成したもので、歯舞産の刻みコンブに歯舞昆布八方つゆを使っている。

　同支部は今年４月、「コロナ禍で疲弊した飲食業界を「個店個々ではなくみんなで力を合わせて盛り上げていこう」と飲食店３０店舗で立ち上げた組織。設立時の事業計画作成時、空自の取り組みを知り、根室基地の「昆布唐揚げ」を根室名物に加えようと事業化した。

　全国の空自６６基地が外部団体と連携した取り組みをしていて、北海道、東北の１４基地でも網走基地が地元のしょうゆ麹やタマネギを使った唐揚げを、青森県三沢基地は「ごぼう空上げ」などを外部団体と一緒に地元展開している。

　釧路市出身の金子直矢根室分屯基地司令は空自空上げの店舗展開について「ポストコロナにおける根室地域活性化の一助となるべく地域の皆さんと根室を盛り上げていきたい」とあいさつした。

　空自空上げの決まり事は、根室産刻みコンブと歯舞昆布八方つゆの使用のみ。ほかは各店舗任せで、同支部の千葉智人支部長は「根室基地の取り組みを市民の方々にも知ってもらいたいと事業化した。個性ある味が楽しめると思うので、将来展開も考えられる」と述べ、他基地のレシピや食べ比べ、空上げスタンプラリーなども検討している。

　９月１日から「空上げ」を扱う１３店舗は、店頭にポスターとのぼりでアピールするという。

９月１日からメニュー展開する「空自空上げ」をアピールする（左から）千葉支部長、金子司令、空から担当の一條光司副支部長