【根室】市はクマの出現で約１カ月にわたり閉鎖していた春国岱の散策路を開放した。パトロールで痕跡が確認されなかったため。ただ市内は過去最多のペースでクマの目撃情報が寄せられていることから、注意喚起は継続しており、隣接する春国岱原生野鳥公園ネイチャーセンターではクマ鈴の貸し出しを開始した。

　ラムサール登録湿地で根室十景にも数えられている「春国岱・風蓮湖」周辺では、６月下旬から春国岱を泳ぐクマの姿など１度に複数頭の目撃が相次いだため、市は７月９日に春国岱の散策路を閉鎖していた。

　その後対策会議を開くなど対応を協議。今月に入り根室振興局、道猟友会根室支部、市の３機関・団体は４、６、８日の３回、クマが出現しそうな春国岱周辺をパトロール、クマの痕跡が確認されなかったことから１１日に散策路の封鎖を解いた。

　ただ今年度の市内は、過去最多の目撃情報を数えた昨年度（６１件）を上回るペースで目撃情報が寄せられている。１４日現在で５８件と前年同期を１４件上回っているため、春国岱の散策路入口には「春国岱散策路ご利用の皆様へヒグマと出会わないために」と注意看板を設置、「鈴やラジオ、スマートフォンで音を鳴らしながら歩く」「フンや足跡を見つけたら、すぐに引き返す」などと呼び掛け、春国岱入口近くの春国岱原生野鳥公園ネイチャーセンターではクマ鈴の貸し出しも行っている。

　ネイチャーセンターは０１５３（２５）３０４７へ。

春国岱散策路に設置された看板