祝津町の白鳥大橋パークゴルフ場とＭＳＣベリッシマ＝９日午前１０時５０分ごろ、道の駅みたら室蘭

　韓国の釜山から鹿児島や高知を巡って横浜港に帰航する予定だったクルーズ船「ＭＳＣベリッシマ」（１７万１５９８トン）が９日朝、台風６号の影響で急きょ航路を変更し室蘭港の祝津絵鞆地区クルーズ船等受入岸壁（祝津町）に入港した。同船は同日夜に室蘭港を出発、１１日に横浜港に帰港する予定。

　同船は日本を発着する客船としては最大級の大きさで、全長３１５メートル。客室は２２１７室。高さは６５メートルあり、１９階建てのビルに相当する。道内でこのサイズの船が停泊できるのは、函館港と改良工事が進められている同岸壁のみ。室蘭市に寄港した客船としては過去最大。

　今回は乗客と乗組員合わせて約３７００人が乗船。下船した人たちは、東室蘭駅行きや札幌市、登別温泉と白老町のウポポイ行きのツアーバスやタクシーに乗り込んだ。

　神奈川県の津留和弘さん（４９）は家族５人で乗船。高知でよさこい祭りと花火を見る予定だったが「ルート変更は仕方がない。レンタカーで洞爺湖方面を回り、北海道らしい広い景色を楽しみます」。次女の詩音さん（８）は「北海道のトウモロコシが食べたい」と思いがけない旅行を楽しみにしていた。