職員から路面電車の説明を受ける参加者

　路面電車感謝祭（函館市企業局交通部主催）が３０日、函館市駒場町の駒場車庫で開かれた。開業１１０周年記念事業の一環。４年ぶりの開催とあって市民や市電ファンが大勢来場、車両展示や施設見学、市電グッズの販売などを楽しんだ。

　ＮＰＯ法人函館市電の熟練工の技を伝える会（村上英彦理事長）、函館チンチン電車を走らせよう会（高田京子会長）、函館市電カレンダー制作委員会（京極寛委員長）が協力した。

　親子見学会では、職員から函館市電の歴史や運転方法、車両の解説を受け、普段は入れない車庫の構内を見学した。

　構内には７日に運行を開始した超低床電車９６０５号に加え、ファンに人気の５０１号と５３０号、ササラ電車が展示された。箱館ハイカラ號と花電車も出発までの間公開された。

　部品販売コーナーでは、ヘッドライトや方向幕、つり革、運賃表示器、車内放送や方向幕のデータを収めたＤＶＤ、市電の車両などをデザインしたキーホルダーが販売され、売り切れるほどの人気だった。

　ちびっこ運転免許証作成、足こぎトロッコといった催しを展開。中でも、函館市電の実際の運行区間を模した３Ｄ映像を見て運転体験ができる「運転シミュレーターＴＲＡＭＣＩＴＹ」には、来場者の長い行列ができた。

　市内松川町から訪れた新聞販売店員の中里俊之さん（４９）は「開始前から多くの方が並んでおり、大勢のファンがイベント開催を待ち望んでいたと感じた。イベントを機に、路面電車をもっと利用する契機になってほしい」と話した。