釧路管内のサオマエコンブ漁が２０日、一斉に始まった。今年は波が高い日や濃霧が続き、各漁協ともこの日まで出漁を見合わせていた。５月２５日に漁を解禁していた釧路市東部漁協では初日を迎えるのが１カ月近く遅れ、７０代女性は「５０年やってるけれど、こんなこと初めてだよ」と話していた。

　サオマエコンブは、夏の成コンブ漁が始まる前に間引きするために採るコンブで、成熟していないため身が軟らかい。釧路市東部以外の解禁日は昆布森と厚岸が７日、浜中が１１日、散布が１２日だった。昨年流氷被害を受けた浜中は２年ぶりの操業。漁協ごとに６月末まで２～４日間、時間を決めて操業する。

　このうち釧路市の桂恋漁港では、午前５時に出漁した小型漁船が同８時ごろから次々と戻り、干（かん）場（ば）へ向かうトラックにコンブを積み替える作業が行われた。漁業者は「今年は日が進んだ分、実が入っていいコンブ」と笑顔を見せていた。

水揚げされトラックに移されるコンブ（２０日午前８時１０分、釧路市桂恋漁港）