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釧路新聞

乗り合い交通、今秋試行 根室市が公共交通計画【根室】

 【根室】市は30日、持続可能な公共交通の在り方をまとめた「根室市地域公共交通計画」は公表した。同計画に即した鉄路とバスの施策はすでに展開中で、いずれも好調な利用状況にあるという。秋にはタクシー・ハイヤーを主とする事前予約制の乗り合い交通(AIオンデマンド交通)を試行する計画だ。

 市地域公共交通計画は、すべての地方公共団体に努力義務化された国の法改正に基づく。市は昨年4月に16団体で構成する協議会を設置。5回の会議と8カ所での市民意見交換会、市民意見公募を経て策定。この日の市地域公共交通確保対策協議会(会長・竹本勝哉副市長)の総会を受け、公表となった。

 市の計画は「子どもと高齢者にやさしく持続可能な公共交通体系の構築」という副題が付き、内容は27年度までの5年間を見据えたものとなっている。

 同計画に基づいた施策として4月10日から、公共交通空白地帯の落石地区に通院、通学のための路線バス「落石線」を試験運行。根室交通によると、利用者(1日平均)は学生23人、大人1~2人、小学生1人が利用しており、既存路線よりも乗車密度が高いという。

 子育て世帯の負担軽減と市内バス路線の利用促進を目的に今年度スタートした18歳以下の市民および小学生未満の子どもと同乗の保護者1人を無償化する「バス乗車フリーパス」事業は、4月実績で389件の申請、延べ3294人の利用が確認された。

 JR花咲線を利用して根室高校に通う生徒の定期代(全額)助成制度は16人が申請、9月末までの6カ月間で延べ3240人の乗車を見込む。

 このほか、既存事業の市内在住70歳以上が100円で全バス路線を利用できる「高齢者バス等優待乗車券事業」、75歳以上の運転免許自主返納者へ、年1万1000円のハイヤー乗車券を3年間助成する「運転免許証自主返納奨励事業」は継続して行う。

 市は各事業の評価、検証を行いながら、計画最終年次にさらなる見直しで公共の足の確保を目指す。

交通計画に基づく「落石線」を利用する根室高校生(4月10日)

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