遭難事故注意訴え、消防署と愛好家「入念な準備を」 山菜採りシーズン本格化【登別】
山菜採りのシーズンが本格化し、採るのに夢中になってしまうと、山で迷ったり斜面から滑落するなどの事故が後を絶たない。登別市消防署は携帯電話の持参や、複数人で声をかけ合っての行動を-と呼びかけ、愛好家も仲間が事故に遭わないよう「入念な準備を」と訴えている。
同署によると、市内の山菜採りの遭難件数は2020年が4件(5人)、21年は0件、22年は2件(2人)。入山目的は主にタケノコ採りで、遭難者はいずれも65歳以上の高齢者だ。
今年は5月8、11日に2件(2人)発生。いずれも「一緒に入山した母親が迷った」と消防に通報があり消防隊が出動した。幸い2件とも3時間後に救出され、けがはなかった。
同署では、①家族などに行き先や帰宅時間を告げる②携帯電話を満充電にして携行する③単独で入山せず常に声をかけ合う④迷った場合は119番通報し、道が分からなければ極力その場から移動しない-などの対策を呼びかけた。
行政だけでなく、愛好家も気を引き締めている。鉱山町や上登別町で山菜採りを楽しんでいる市内在住の男性(77)は「助けを呼ぶために小型の拡声器を持って入山している」と入念な準備をしていると話した。その上で「ベテランほど『自分は大丈夫』と油断してしまうケースが多いと感じる。今シーズンはクマの目撃情報が多いなど、山の状況は年々変化している。みんなで事故なく安全に楽しみたい」と話していた。
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